ユークリッド原論をどう読むか(8)
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ユークリッド原論

第4巻

命題4ー15(六角形を円に内接)
六角形  分の1   (正六角形の辺)
(正六角形を円に外接)
(円を正六角形に内接・外接)
与えられた
 等辺等角六角形内接させること。


与えられた
 ABCDEFとせよ。

このとき
 ABCDEFに
 等辺等角六角形
 内接させねばならぬ。

ABCDEFの
 直径ADがひかれ、
 中心Gがとられ、
 Dを中心として
 EGCHが描かれ、 【・・・(a)】  EG、CGが結ばれ、
 B、Fまで延長され、
 AB、BC、CD、DE、EF、FAが
 結ばれたとせよ。
六角形ABCDEFは
 等辺等角であると主張する。
Gは
 ABCDEFの中心であるから、
 GEはGDに等しい【・・・(1)】 また
 Dは
 GCHの中心であるから、
 DEは
 DGに等しい【・・・(2)】 ところが
 GEがGDに等しいことは
 先に証明された。
それゆえ
 GEもEDに等しい
ゆえに
 三角形EGDは等辺である。
したがって
 その3つのEGD、GDE、DEGも
 互いに等しい
なぜなら
 二等辺三角形底辺における
 互いに等しいから。
そして
 三角形の3つのの和は
 2直角等しい
それゆえ
 EGDは
 2直角の3分の1である。
同様にして
 DGCも2直角の3分の1である
 ことが証明されうる。

そして
 EB上に立つ線分CGが
 接角EGC、CGBの和を
 2直角に等しくするから、
残りのCGBも
 2直角の3分の1である。
ゆえに
 EGD、DGC、CGBは
 互いに等しい
したがって
 それらの対頂角BGA、AGF、FGEも
 等しい
それゆえ
 6つの
 EGD、DGC、CGB、BGA、AGF、FGEは
 互いに等しい
ところが
 等しい
 等しいの上に立つ。
ゆえに
 6つの
 AB、BC、CD、DE、EF、FAは
 互いに等しい【・・・(3)】
そして
 等しいには
 等しいが対する。
したがって
 6つの
 互いに等しい

よって
 六角形ABCDEFは
 等辺である。 【・・・(4)】 次ぎに
 等角であると主張する。
FAは
 EDに等しいから、
 双方に
 ABCDが加えられたとせよ。
そうすれば
 FABCD全体は
 EDCBA全体に等しい
そして
 FEDは
  FABCDの上に、
 AFEは
  EDCBAの上に立つ。
ゆえに
 AFEは
 DEFに等しい
同様にして
 六角形ABCDEFの
  残りの
 1つずつ
 AFE、FEDの双方に等しい
 ことが証明されうる。

したがって
 六角形ABCDEFは
 等角である。
ところが
 等辺であることも先に証明された。
そして
 ABCDEFに内接されている。
よって
 与えられた
 等辺等角六角形内接された。
これが作図すべきものであった。



これから
 次ぎのことが明らかである。
すなわち、
 六角形
 半径等しい
(以下、命題4ー15の系3 (正六角形の辺)という。)
また
 五角形のときと同様、
 もし
 円周上の区分を通って
 接線をひけば、
 五角形のときにいわれたように、
 等辺等角六角形
 外接されるであろう。
(以下、命題4ー15の系4 (正六角形を円に外接)という。)
そしてまた
 五角形のときにいわれたように、
 与えられた六角形
 内接および外接させうる。
(以下、命題4ー15の系5 (円を正六角形に内接・外接)という。)
これが作図すべきものであった。
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