ユークリッド原論をどう読むか(7)
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ユークリッド原論
第3巻
命題3ー27(弧が等しければ角も等しい)
等しい円において
等しい弧の上に立つ角は、
中心角も円周角も、
互いに等しい。
等しい円ABC、DEFにおいて
等しい弧BC、EF上に
中心G、Hにおいて
角BGC、EHFが、
円周において
角BAC、EDFが立つとせよ。
-
円ABC
に対して、
点B[上.円周ABC]、
点C[上.円周ABC,外.B]、
点A[上.円周ABC,外.B,外.C]、
中心G.円ABC、
点H[]、
円DEF(H,GB)、
点E[上.円周DEF]、
点F(上.円周DEF,同向側(EH,BG,C);;弧EF≡弧BC)
点D[上.円周DEF,同向側(EF,BC,A)]
線分BG、GC、BA、AC、
線分EH、HF、ED、DF
をとっている。
角BGCは
角EHFに等しく、
角BACは
角EDFに等しい
と主張する。
もし
角BGCが
角EHFに
等しくないならば、
それらの一方は
大きい。
角BGCが
大きいとし、
【・・・(a)】
- 本来は、
場合分けが必要である。
すなわち、
BGCが
EHFより
大きい場合、
等しい場合、
小さい場合
の3つである。
等しい場合は
背理法の仮定に反していて
論証の必要がない。
小さい場合は、
小さい方を
改めて
円DEF、中心Hに
記号を付け直して
論証を進めればよい
という意味である。
-
∠BGC>∠EHF
となっている。
線分BG上に
その上の点Gにおいて
角EHFに等しい
角BGKが
つくられたとせよ。
【・・・(b)】
-
命題1ー23
(作図・直線上に指定された角)
による。
-
点K(上.円周ABC,同向側(BG,EH,F);;∠BGK=∠EHF)
をとっている。
ところが
等しい角は
中心においてあるとき、
等しい弧の上に立つ。
それゆえ
弧BKも
EFに等しい。
しかるに
EFは
BCに等しい。
ゆえに
BKも
BCに等しい。
【・・・(1)】
-
公理1ー1
(同じものに等しい)
による。
-
弧BK≡弧BC
となっている。
すなわち
小さいものが
大きいものに等しい。
- 背理法の仮定と、
公理1ー8の補足
(小さい)
により
BKは
BCより小さい。
一方、
(1)
により
BKは
BCに等しい。
これは不可能である。
したがって
角BGCは
角EHFに不等でない。
それゆえ
等しい。
そして
Aにおける角も
Dにおける角に等しい。
-
命題3ー20
(中心角は円周角の2倍)
による。
-
∠BAC=∠EDF
となっている。
よって
等しい円において
等しい弧の上に立つ角は、
中心角も円周角も、
互いに等しい。
これが証明すべきことであった。
- 命題3ー27は、
円ABC
に対して、
円DEF[円ABC]、
弧EF..円DEF[弧BC.円ABC]、
をとれば、
中心角BGC.円ABC=中心角EHF.円DEF、
円周角BAC.円ABC=円周角EDF.円DEF
のことである。
- 命題3ー27は推論用命題である。
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