ユークリッド原論をどう読むか(7)
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ユークリッド原論
第3巻
命題3ー28(等しい弦は等しい弧を切り取る)
等しい円において
等しい弦は
等しい弧を切り取る、
すなわち
切り取られた大きい弧は
大きい弧に、
小さい弧は
小さい弧に等しい。
ABC、DEFを
等しい円とし、
それらの円において
AB、DEを等しい弦とし、
これが
大きい弧ACB、DFEと
小さい弧AGB、DHE
を切り取るとせよ。
-
円ABC
に対して、
中心K.円ABC、
点A[円周.ABC]、
点B[円周.ABC,外.A]、
点L[]、
円DEF(L,KA)、
点D[上.円周DEF]、
点E(上.円DEF,同向側(DL,AK,B);;DE=AB)
をとっている。
大きい弧ACBは
大きい弧DEFに、
小さい弧AGBは
小さい弧DHEに等しいと主張する。
円の中心K、Lがとられ、
-
命題3ー1
(作図.円の中心)
による。
-
中心K.円ABC、
中心L.円DEF
となっている。
AK、KB、DL、LEが
結ばれたとせよ。
-
公準1ー1
(作図.直線)
による。
-
線分AK、KB、DL、LE
をとっている。
そうすれば
2つの円は
等しいから、
半径も
等しい。
-
定義3ー1
(等しい2円)
による。
-
AK=DL
となっている。
かくて
2辺AK、KBは
2辺DL、LEに等しい。
そして
底辺ABは
底辺DEに等しい。
- 命題の設定
による。
-
(AK、KB)=(DL、LE)
AB=DE
となっている。
それゆえ
角AKBは
角DLEに等しい。
-
命題1ー8
(3辺相等2)
による。
-
∠AKB=∠DLE
となっている。
ところが
等しい角は
中心においてあるとき、
等しい弧の上にたつ。
ゆえに
弧AGBは
DHEに等しい。
【・・・(1)】
-
弧AGB..円ABC(∠AKB)
≡弧DHE..円DEF(∠DLE)
となっている。
また
円ABC全体も
円DEF全体に等しい。
- 命題の設定
による。
-
円ABC≡円DEF
となっている。
したがって
残りの弧ACBも
残りの弧DFEに等しい。
- (1)
,
公理1ー7
(等しい)
による。
-
弧ACB..円ABC(弧AGB.円ABC,対)
≡弧DFE..円DEF(弧DHE.円DEF,対)
となっている。
よって
等しい円において
等しい弦は
等しい弧を切り取る、
すなわち
切り取られた
大きい弧は
大きい弧に、
小さい弧は
小さい弧に等しい。
これが証明すべきことであった。
- 命題3ー28は、
円ABC
に対して、
円DEF[;;=円ABC]、
弦DE..円DEF[;;=弦AB.円ABC]
をとれば、
弧DHE..弦DE.円DEF(反対側(DE,中心.円DEF))
≡弧AGB..弦AB.円ABC(反対側(AB,中心.円ABC))、
弧DFE..円DEF(弧DHE.円DEF,対)
≡弧ACB..円ABC(弧AGB.円ABC,対)
のことである。
- 命題3ー28は推論用命題である。
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