ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論
第10巻
命題10ー62
(第2の双中項線分上の正方形は有理線分上の矩形なら幅は第3の二項線分)
第2の双中項線分
上の
正方形
に
等し
い
矩形
は、
有理線分
上につくられる
と、
第3の二項線分
を
幅
とする。
第2の双中項線分は、
定義の補足(命題10ー38)
による。
正方形は、
定義1ー22
による。
等しいは、
公理1ー7
による。
矩形は、
定義1ー22
による。
有理線分は、
定義10ー3の補足
による。
第3の二項線分は、
定義10Uー3
による。
幅は、
定義の補足(命題10ー20)
による。
ABを
Cで二つの
中項線分
に分けられ、
ACを
大き
い部分とする
第2の双中項線分
とし、
DEを
ある
有理線分
とし、
そして
DE上に
AB上の
正方形
に
等し
く
DGを
幅
とする
矩形
DFが
つくられた
とせよ。
DGは
第3の二項線分
である
と主張する。
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
により、
AC;中項線分、
CB;中項線分、∩^^2 AC、<AC
矩形(AC、CB);中項面積
をとり、
命題の補足2(定義10ー3)
(作図.任意の有理線分)
により、
DE;有理線分
をとり、
命題1ー45の補足2
(作図.直線図形,線分,直線角と平行四辺形)
により
矩形(DE、DG;=正方(_AB))
をつくる。
AC;中項線分、
CB;中項線分、∩^^2 AC、<AC
矩形(AC、CB);中項面積
DE;有理線分
矩形(DE、DG;=正方(_AB))
となっている。
先の証明と同じ作図が
なされた
とせよ。
命題1ー45の補足2
(作図.直線図形,線分,直線角と平行四辺形)
により、
矩形DH(DE、DK;=正方(_AC))、
矩形KL(DE、KM;=正方(_BC))
をとると、
命題2ー4
(2分線分上の正方形)
により、
矩形MF=2矩形(AC、CB)
となり、
命題1ー10
(作図・線分の2等分)、
により、
中点N(MG)
をとり、
命題1ー31
(作図・平行線)
により、
交点Q(EF、平行線(N、ML))
をとる。
矩形DH=正方(_AC)、
矩形KL=正方(_BC))
矩形MF=2矩形(AC、CB)
MN=NG、
NQ//ML
となっている。
[......(1)]
そうすれば
ABは
Cで分けられた
第2の双中項線分
である
から、
AC、CBは
平方においてのみ通約
でき、
中項面積
を
かこむ
中項線分
である。
命題の設定
である。
AC∩^^2 CB、
矩形(AC、CB);中項面積、
AC、CB;中項線分
となっている。
したがって
AC、CB上の
正方形
の和は
中項面積
である。
そして
DLに
等し
い。
前節、
定義の補足2(命題10ー23)
(中項面積) による。
正方(_AC)+正方(_CB)=矩形DL;中項面積
となっている。
したがって
DLも
中項面積
であり、
有理線分
DE上にある。
それゆえ
MDも
有理線分
であり、
DEと長さにおいて通約できない。
前節、
命題10ー22
(中項線分上正方形に等矩形で底辺有理線分なら幅は有理で非通約)
による。
MD;有理線分、¬∩DE
となっている。
同じ理由で
MGも
有理線分
であり、
ML、
すなわち
DEと
長さにおいて通約
できない。
命題の設定
、
(1)
、
命題10ー22
(中項線分上正方形に等矩形で底辺有理線分なら幅は有理で非通約)
による。
MG;有理線分、¬∩DE
となっている。
したがって
DM、MGの双方は
有理線分
であり、
DEと
長さにおいて通約
できない。
[......(2)]
前節、前々節による。
DM、MG;有理線分、¬∩DE
となっている。
そして
ACは
CBと
長さにおいて通約
できず、
命題の設定
による。
AC¬∩CB
となっている。
ACが
CBに
対するように
、
AC上の
正方形
が
矩形
ACBに対する
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例) による。
AC:CB=正方(_AC):矩形(ACB)
となっている。
から、
AC上の
正方形
も
矩形
ACBと
通約
できない。
前節、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
正方(_AC)¬∩矩形(ACB)
となっている。
したがって
AC、CB上の
正方形
の和は
矩形
ACBの2
倍
と、
すなわち
DLは
MFと
通約
できない。
前節、
命題10ー15
(通約量はその和・差とも通約)
命題10ー13
(通約量と非通約なら非通約)
による。
正方(_AC)+正方(_CB);¬∩2矩形(ACB)、
矩形DL;¬∩MF
となっている。
それゆえ
DMも
MGと
通約
できない。
前節、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
DM¬∩MG
となっている。
そして
有理線分
である。
(2)
による。
DM、MG;有理線分
となっている。
ゆえに
DGは
二項線分
である。
前節、前々節、
定義の補足(命題10ー36)
(二項線分) による。
DG;二項線分
となっている。
第3の二項線分
でもある
ことを証明しなけれぱならない。
前と同様にして
DMが
MGより
大き
く、
DKが
KMと
通約
できる
ことを結論しよう。
命題2ー7
(差の平方)
により、
正方(_AC)+正方(_CB)>2矩形(AC、CB)
となり、
(1)
により、
DL>MF
となり、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
命題5ー14
(同じ比の前(後)項の大等小)
により、
DM>MG
となる、
また、
命題の設定
により、
正方(_AC)∩正方(_CB)
となり、
(1)
により、
矩形DH∩矩形KL
となり、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
DM>MG
DK∩KM
となっている。
そして
矩形
DKMは
MN上の
正方形
に
等し
い。
(1)
、
定義の補足3(命題6ー8)
(比例中項)
による。
矩形(DKM)=正方(_MN)
となっている。
したがって
DM上の
正方形
は
MG上の
正方形
より
DMと
通約
できる
線分
上
の
正方形
だけ
大き
い。
前節、前々節、
命題10ー17
(上の正方形の差が大と通約線分上の正方形⇔小の半分上の正方形に等しい大の矩形分割(コ)の辺は通約)
による。
正方(_DM)=正方(_MG)+正方(_X)
X∩DM
となっている。
そして
DM、MGのいずれも
DEと
長さにおいて通約
できない。
(2)
による。
DM、MG;¬∩DE
となっている。
よって
DGは
第3の二項線分
である。
前節、前々節、
定義10Uー3
(第3の二項線分)
による。
DG;第3の二項線分
となっている。
これが証明すべきことであった。
命題10ー62
は、
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
により、
AC;中項線分、
CB;中項線分、∩^^2 AC、<AC
矩形(AC、CB);中項面積
をとり、
命題の補足2(定義10ー3)
(作図.任意の有理線分)
により、
DE;有理線分
をとり、
命題1ー45の補足2
(作図.直線図形,線分,直線角と平行四辺形)
により
矩形(DE、DG;=正方(_AB))
矩形DH(DE、DK;=正方(_AC))、
矩形KL(DE、KM;=正方(_BC))
中点N(MG)
をとると、
DM∩^^2 MG
DM、MG;有理線分
正方(_DM)=正方(_MG)+正方(_X)
X∩DM
DM、MG¬∩DE
となり、
DG;第3の二項線分
のことである。
命題10ー62
は推論用命題である。
前提
作図・構成
推論
定義
補3(題6-8)
,
補2(題10-23)
,
補(題10-36)
,
10U-3
公準
公理
命題
1-10
,
1-31
,
1-45補2
,
補2(義10-3)
,
10-28
2-4
,
2-7
,
5-14
,
6-1
,
10-11
,
10-13
,
10-15
,
10-17
,
10-22
その他
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