ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー27(作図.2中項線分;矩形が有理面積、平方でのみ通約)

 有理面積かこみ
 平方においてのみ通約できる
 2つの中項線分を見いだすこと。




 平方においてのみ通約できる
 2つの有理線分A、Bが定められ、
 A、Bの比例中項Cがとられ、
 AがBに対するように
 CがDに対するようになっているとせよ。

そうすれば
 A、Bは
 平方においてのみ通約できる有理線分である

から、
 矩形A、B、
 すなわち
 C上の正方形中項面積である。

したがって
 Cは中項線分である。
      [......(1)]

そして
 AがBに対するように
 CがDに対し
 A、Bは平方においてのみ通約できる

から、
 C、Dも平方においてのみ通約できる。
      [......(2)]

そして
 Cは中項線分である。

したがって
 Dも中項線分である。

ゆえに
 C、Dは
 平方においてのみ通約できる中項線分である。
      [......(3)]

また
 C、Dは有理面積をかこむ
と主張する。

 AがBに対するように
 CがDに対する

から、
 いれかえて
 AがCに対するように
 BがDに対する

ところが
 AがCに対するように
 CがBに対する

したがって
 CがBに対するように
 BがDに対する

ゆえに
 矩形C、DはB上の正方形等しい

そして
 B上の正方形有理面積である。

したがって
 矩形C、Dも有理面積である。

よって
 有理面積かこみ
 平方においてのみ通約できる
 中項線分が見いだされた。

 これが証明すべきことであった。
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