ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論
第10巻
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
(作図.任意個の平方のみ通約な量)
中項面積
を
かこみ
、
平方においてのみ通約
できる
2つの
中項線分
を見いだす
こと。
中項面積は、
定義の補足2(命題10ー23)
による。
かこみは、
定義2ー1
による。
平方においてのみ通約は、
定義の補足(命題10ー19助)
による。
中項線分は、
定義の補足(命題10ー21)
による。
平方においてのみ通約
できる
有理線分
A、B、Cが定められ、
A、Bの
比例中項
Dがとられ、
BがCに
対するように
、
DがEに
対する
ようになっている
とせよ。
作図は以下の通り。
命題の補足2(定義10ー3)
(作図.任意の有理線分)
により、
A;有理線分
をとる。
互いに相似でない
3つの平面数A'、B'、C'
(例えば、3、4、5)
をとり、
命題10ー6の系2
(作図.平方で数:数となる線分)
により、
B;sq(_A):sq(_B)=A':B'
C;sq(_A):sq(_C)=A':C'
をとると、
sq(_B):sq(_C)=B':C'
となり、
定義10ー3の補足
(有理線分)
により、
B、C;有理線分
となり、
命題10ー6(量が数:数なら通約可)
により、
A∩^2B、A∩^2C、B∩^2C
となり、
命題10ー9
(長さで通約と平方で通約)
により、
A¬∩B、A¬∩C、B¬∩C
となることによる。
同様に、
互いに平方によってのみ通約できる
任意個の量が作図できる。
(以下、
命題10ー28の補足
(作図.任意個の平方のみ通約な量)という。)
命題6ー13
(作図.2線分の比例中項)
により、
A、Bの比例中項Dをとる。
命題6ー12
(作図.比例第4項)
により、
B:C=D:E
となるEをとる。
A、B、C;有理線分、
A∩^^2B、B∩^^2C、C∩^^2A、
A:D=D:B、
B:C=D:E
となっている。
A、Bは
平方においてのみ通約
できる
有理線分
である
命題の設定
による。
A、B;有理線分、
A∩^^2B
となっている。
から、
矩形
A、B、
すなわちD上の
正方形
は
中項面積
である。
[......(1)]
前節、
命題の設定
、
定義の補足2(命題10ー23)
(中項面積)
による。
rec(A、B)=sq(_D);中項面積
となっている。
したがって
Dは
中項線分
である。
[......(2)]
前節、
定義の補足(命題10ー21)
(中項線分)
による。
D;中項線分
となっている。
そして
B、Cは
平方においてのみ通約
でき、
BがCに
対するように
、
DがEに
対する
命題の設定
による。
B∩^^2C、
B:C=D:E
となっている。
から、
D、Eも
平方においてのみ通約
できる。
前項、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
D∩^^2E
となっている。
そして
Dは
中項線分
である。
(2)
による。
D;中項線分
となっている。
したがってEも
中項線分
である。
前節、前々節、
命題10ー23
(中項線分と平方で通約なら中項線分)
による。
E;中項線分
となっている。
それゆえ
D、Eは
平方においてのみ通約
できる
中項線分
である。
[......(3)]
前節、前々節、前々々節による。
D、E;中項線分、
D∩^^2E
となっている。
次に
それらは
中項面積
を
かこむ
と主張する。
BがCに
対するように
、
DがEに
対する
命題の設定
による。
B:C=D:E
となっている。
から、
いれかえて
BがDに
対するように
、
CがEに
対する
。
前節、
命題5ー16
(比例すれば錯比も比例)
による。
B:D=C:E
となっている。
ところが
BがDに
対するように
、
DがAに
対する
。
命題の設定
により、
DがB、Aの比例中項になっている
ことによる。
B:D=D:A
となっている。
したがって
DがAに
対するように
、
CがEに
対する
。
前節、前々節、
命題5ー11
(同一の比に同じ比)
による。
D:A=C:E
になっている。
それゆえ
矩形
A、Cは
矩形
D、Eに
等しい
。
前節、
命題6ー16
(比例4線分と外項矩形、内項矩形)
による。
rec(A、C)=rec(D、E)
となっている。
そして
矩形
A、Cは
中項面積
である。
命題の設定
により、
A、C:有理線分、
A∩^^2C
となっており、
定義の補足2
(命題10ー23)(中項面積)
による。
rec(A、C);中項面積
となっている。
したがって
矩形
D、Eも
中項面積
である。
前節、前々節、
定義10ー1
(通約)
命題10ー23の系
(中項面積と通約なら中項面積)
による。
rec(D、E);中項面積
となっている。
よって
中項面積
を
かこみ
、
平方においてのみ通約
できる
2つの
中項線分
が見いだされた。
前節、
(3)
による。
これが証明すべきことであった。
命題10ー28
は、
命題10ー6の系2
により、
有理線分A、B、C;A∩^^2B、A∩^^2C、B∩^^2C
をとり。
比例中項D(A,B);中項線分、
線分E;B:C=D:E、中項線分
をとれば、
rec(D、E):中項面積
のことである。
命題10ー28の補足 (作図.任意個の平方のみ通約な量)
前提
作図
推論
定義
10-3補
公準
公理
命題
10-6系2
10-6
,
10-9
その他
命題10ー28
は作図用命題である。
前提
作図・作図
推論
定義
10-1
,
10-3補
,
補(題10-21)
,
補2(題10-23)
公準
公理
命題
6-12
,
6-13
,
補2(義10-3)
,
10-6
,
10-6系2
5-11
,
5-16
,
6-16
,
10-11
,
10-23
,
10-23系
その他
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