ユークリッド原論をどう読むか(14)
頁末
前
次
目次
ユークリッド原論
第10巻
命題10ー13(通約量と非通約なら非通約)
もし
2つの量が通約でき、
それらの一方が
何らかの量と通約できない
ならば、
残りも同じ量と通約できない
であろう。
A、Bを2つの通約できる量
とし、
それらの一方Aが
他の何らかの量Cと通約できない
とせよ。
-
「量(について)・・・とせよ」は、
コメント6(命題5ー1)
参照のこと。
-
量を線分で表現する
とすれば、
作図は次のようになる。
公準1ー1の補足2(作図.任意の線分)
により
任意の線分Aをとる
命題10ー6の系3(作図.長さ・平方で通約可の線分)
により
Aと通約できる線分Bをとる。
命題10ー10(作図.長さ・平方において通約でない線分)
により
Aと通約できない線分Cをとる。
-
A∩B、A¬∩C
となっている。
残りのBもCと通約できない
と主張する。
もし
BがCと通約でき、
他方AがBと通約できる
ならば、
AとCも通約できる。
-
前節、前々節、
命題10ー12(同じ量と通約なら通約)
による。
-
A∩C
となっている。
ところが
通約できなくもある。
これは不可能である。
したがって
BはCと通約できる
のではない。
ゆえに
通約できない。
よって
もし
2つの量が通約でき云々
-
云々は
「それらの一方が
何らかの量と通約できない
ならば、
残りも同じ量と通約できない
であろう。
-
命題10ー13は、
A∩BでA¬∩C
ならば、
B¬∩C
のことである。
- 命題10ー13は推論用命題である。
前
次
目次
頁頭