ユークリッド原論をどう読むか(2)
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ユークリッド原論
第1巻
命題1ー10(作図・線分の2等分)
中点
与えられた線分を2等分する
こと。
与えられた線分をAB
とせよ。
このとき
線分ABを
2等分しなければならぬ。
その上に等辺三角形ABCがつくられ、
-
命題1ー1(作図・正三角形)
による。
-
C;点(△ABC≡正三(_AB))
をとっている。
角ACBが
線分によって2等分された
とせよ。
【・・・(a)】
-
命題1ー9(作図・角の2等分)
による。
-
角ACBを2等分した半直線CEと
ABとは交点Dをもつ。
なぜなら、
半直線CEは、
等辺三角形ABCのCから内部を通って
無限に伸びている
ので、
辺ABについて
反対側の2点を通っており、
命題の補足3(定義1ー14)
により
CEとABは交点をもつ。
それをD
とする。
-
D;点(AB,∠ACD=∠BCD)
をとっている。
[そうすると、]
線分ABは
点Dにおいて
2等分されている
と主張する。
ACはCBに等しく、
-
(a)
により
ABCは等辺三角形である
ことによる。
-
AC=CB
となっている。
CDは共通である
から、
2辺AC、CDは
2辺BC、CDに
それぞれ等しい。
そして、
角ACDは角BCDに等しい。
-
前節、
(a)
により、
CDは角ACBの2等分線となる
ことによる。
-
(AC,CD)=(BC,CD)、
∠ACD=∠BCD
となっている。
ゆえに
底辺ADは底辺BDに等しい。
-
前節、
命題1ー4(2辺挟角相等)
による。
-
AD=BD
となっている。
よって
与えられた線分ABは
点Dにおいて2等分されている。
これが作図すべきものであった。
-
線分を2等分する点のことを
中点
という。
(以下、定義の補足(命題1ー10)
中点という。)
- 命題1-10は、
AB;線分
に対して、
C;頂点.正三(_AB)、
D;交点(AB,2等分線(∠ACB))
をとるならば、
D;中点.AB
のことである。
- 命題1-10は作図用命題である。
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