ユークリッド原論をどう読むか(5)
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ユークリッド原論

第2巻

命題2ー4(2分線分上の正方形) 
(正方形の対角線をはさむ正方形)>

もし
 線分
 任意に2分されるならば、
 全体の上の正方形は、
 二つの部分の上の正方形と、
 二つの部分によってかこまれた矩形の2
 の和に等しい 線分ABが
 Cにおいて任意に分けられたとせよ。
AB上の正方形
 AC、CB上の正方形
 AC、CBにかこまれた矩形の2
 の和に等しいと主張する。
 


AB上に正方形ADEBが描かれ、 BDが結ばれ Cを通り
 AD、EBのどちらかに平行
 CFがひかれ、 [CFとBDとの交点をGとし、] Gを通り
 AB、DEのどちらかに平行
 HIがひかれたとせよ。 そうすれば、
 CFはADに平行であり、 BDがそれらに交わるから、
 外角CGBは
 内対角ADBに等しい ところが
 BAがADに等しいから、 ADBは
 ABDに等しい それゆえ
 CGBは
 GBCにも等しい ゆえに
 BCも
 CGに等しい ところが
 BCはGIに、
 CGはIBに等しい したがって
 GIもIBにひとしい。 よって
 CGIBは等辺である。 ついで
 矩形でもあると主張する。
CGはBIに平行であるから、 IBC、GCBの和は
 2直角等しい また
 IBCは直角である。 それゆえ
 BCGも直角である。 ゆえに
 対角CGI、GIBも直角である。 しかも
 等辺であることも先に証明された。
したがって正方形である。 そして
 CBの上にある。
同じ理由でHFも正方形である。 そして
 HGすなわちACの上にある。 それゆえ
 HF、ICは
 AC、CB上の正方形である。 そしてAGはGEに等しく、 また、
 GCがCBに等しいゆえ、 AGは
 矩形AC、CBであるから、 GEも
 矩形AC、CBに等しい それゆえ
 AG、GEの和は
 矩形AC、CBの2等しい また
 HF、CIは
 AC、CB上の正方形である
 [ことは先に証明された]。
ゆえに、
 HF、CI、AG、GEの四つの和は、
 AC、CB上の正方形
 AC、CBにかこまれた矩形の2
 の和に等しい ところが
 HF、CI、AG、GEの和は
 ADEB全体、
 すなわちAB上の正方形である。 したがって
 AB上の正方形
 AC、CB上の正方形
 AC、CBにかこまれた矩形の2
 の和に等しい よってもし
 線分が任意に2分されるならば、
 全体の上の正方形は、
 二つの部分の上の正方形と、
 二つの部分によってかこまれた矩形の2
 の和に等しい
 
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭