ユークリッド原論をどう読むか(15)
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ユークリッド原論
第10-2巻
□定義U
定義10Uー1(第1の二項線分)
有理線分[D]と,
ニつの項に分けられたニ項線分[ACB]
とが定められ、
そのニ項線分の大きい項[AC]
の上の正方形が
小さい項[CB]の上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約できる
線分[AK]上の正方形だけ大きい
とき,
もし
大きい項[AC]が
定められた有理線分[D]
と長さにおいて通約できる
ならば,
第1のニ項線分とよばれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_AK)、
AC∩AK、AC∩D)
となっている。
-
定義の補足(命題10ー36)(二項線分)
により、
二項線分は
平方においてのみ通約できる
二つの有理線分の和(無理線分)
である。
定義10ー3の補足(有理線分)
により、
任意の2つの有理線分は、
最初に指定された有理な線分、
と
長さにおいて、
または
平方において通約できる線分である。
よって、
二項線分を構成する
2つの有理線分は
長さにおいて通約できず、
定義10ー1(通約)
により、
等しくない
ので、
公理1ー7の補足(線分・角は大か等か小)
により
一方が大きく、
他方が小さい。
2つの有理線分の差を
二項線分を小さい方に延長して
とれば、
命題2ー5(線分の矩形分割)
により、
大きい方の正方形と
小さい方の正方形との
差は、
両者の和と差による矩形となり、
命題2ー14(作図.直線図形に等しい正方形)
によって、
両者の差に等しい正方形を
作ることができる
この正方形の一辺と、
大きい方の有理線分について、
命題10ー2(互除で常に余るなら非通約)
の操作が有限回で終わる
ならば、
この正方形の一辺は
大きい方の有理線分と通約でき、
定義10Uー1、
2、
3に対応する。
有限回で終わらない
ならば、
この正方形の一辺は
大きい方の有理線分と通約できず、
定義10Uー4、
5、
6に対応する。
-
さらに、
指定された有理線分と
大きい項が
長さにおいて通約できる
ならば、
第1の二項線分という。
もちろん
差も
指定された有理線分と
長さにおいて通約できる。
定義10Uー2(第2の二項線分)
[ 有理線分Dと,
ニつの項に分けられたニ項線分ACB
とが定められ、
そのニ項線分の大きい項AC
の上の正方形が
小さい項CBの上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約できる
線分AK上の正方形だけ大きい
とき,]
もし
小さい項[CB]が
定められた有理線分[D]
と長さにおいて通約できる
ならば,
第2のニ項線分とよばれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_AK)、
AC∩AK、CB∩D)
となっている。
-
指定された有理線分と
小さい項が
長さにおいて通約できる
ならば、
第2の二項線分という。
もちろん
大きい項、差は
指定された有理線分と
長さにおいて通約できない。
定義10Uー3(第3の二項線分)
[ 有理線分Dと,
ニつの項に分けられたニ項線分ACB
とが定められ、
そのニ項線分の大きい項AC
の上の正方形が
小さい項CBの上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約できる
線分AK上の正方形だけ大きい
とき,]
もし
いずれの項[AC、CB]も
定められた有理線分[D]
と長さにおいて通約できない
ならば,
第3のニ項線分とよばれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_AK)、
AC∩AK、D¬∩AC、CB)
となっている。
-
指定された有理線分と
2項とも
長さにおいて通約できない
ならば、
第3の二項線分という。
もちろん
差も
指定された有理線分と
長さにおいて通約できない。
定義10Uー4(第4の二項線分)
さらに
[ 有理線分Dと,
ニつの項に分けられたニ項線分ACB
とが定められ]、
もし
[そのニ項線分の]
大きい項[AC]の上の正方形が
小さい項[CB]の上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約
できない線分[K]上の正方形だけ大きく,
もし
大きい項[AC]が
定められた有理線分[D]
と長さにおいて通約できる
ならば,
第4のニ項線分とよぱれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_K)、
AC¬∩K、AC∩D)
となっている。
-
二項線分を構成する
2つの有理線分の差を
二項線分を小さい方に延長して
とれば、
命題2ー5(線分の矩形分割)
により、
大きい方の正方形と
小さい方の正方形との
差は、
両者の和と差による矩形となり、
命題2ー14(作図.直線図形に等しい正方形)
によって、
両者の差に等しい正方形を
作ることができる
この正方形の一辺と、
大きい方の有理線分について、
命題10ー2(互除で常に余るなら非通約)
の操作が有限回で終わらない
とき、
この正方形の一辺は
大きい方の有理線分と通約できず、
定義10Uー4、
5、
6に対応する。
-
さらに、
指定された有理線分と
大きい項が
長さにおいて通約できる
ならば、
第4の二項線分という。
もちろん
小さい項、差は
指定された有理線分と
長さにおいて通約できない。
場合によっては、
差が
小さい項と
長さにおいて通約できることがある。
定義10Uー5(第5の二項線分)
[ 有理線分Dと,
ニつの項に分けられたニ項線分ACB
とが定められ、
もし
そのニ項線分の
大きい項ACの上の正方形が
小さい項CBの上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約
できない線分K上の正方形だけ大きく,]
もし
小さい項[CB]が
[ 定められた有理線分D
と長さにおいて]通約できる
ならば,
第5のニ項線分とよばれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_K)、
AC¬∩K、CB∩D)
となっている。
-
指定された有理線分と
小さい項が
長さにおいて通約できる
ならば、
第5の二項線分という。
もちろん
大きい項は
指定された有理線分と
長さにおいて通約できない。
場合によっては、
差が
小さい項と、
したがって、
指定された有理線分と
長さにおいて通約できることがある。
定義10Uー6(第6のニ項線分)
[ 有理線分Dと,
ニつの項に分けられたニ項線分ACB
とが定められ、
もし
そのニ項線分の
大きい項ACの上の正方形が
小さい項CBの上の正方形より,
大きい項と長さにおいて通約
できない線分K上の正方形だけ大きく,]
もし
いずれの項[AC、CB]も
[ 定められた有理線分D
と長さにおいて]通約できない
ならば,
第6のニ項線分とよばれる
とせよ。
-
D;定められた有理線分、
C(AB;AC、CB;有理線分、AC∩^^2CB、
正方(_AC)=正方(_CB)+正方(_K)、
AC¬∩K、D¬∩AC、CB)
となっている。
-
指定された有理線分と
2項とも
長さにおいて通約できない
ならば、
第6の二項線分という。
場合によっては、
差は
指定された有理線分と
長さにおいて通約できることがある。
もちろん
できないこともある。
その場合、
小さい項と
長さにおいて通約できることもある。
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