ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論

第6巻

命題6ー7(2辺が比例、挟角以外が等しくて等角となる場合)
作図.2辺が比例、挟角以外が等しい三角形)
もし
 2つの三角形
 1つのが互いに等しく
 もう一つのをはさむ比例し、
 残りのの双方が共に直角より小さいか、
 または
 共に小さくないならば、
 2つの三角形等角であり、
 比例する2にはさまれる等しいであろう。



ABC、DEFを
 1つのBACがEDFに等しく
 もう一つのABC、DEFをはさむ比例する、
 すなわち
 ABがBCに対するように
 DEがEFに対し
 残りのC、Fにおけるの双方が
 まず
 直角より小さい2つの三角形とせよ。

三角形ABCは
 三角形DEFに等角であり、
 ABCはDEFに等しく
 残りのCにおける
 明らかに
 残りのFにおける等しい
 と主張する。

もし
 ABCが
 DEFに等しくないならば、

 それらの一方は大きい

ABCが大きいとせよ。

そして
 線分AB上に
 その上のBにおいて
 DEFに等しいABGがつくられた
 とせよ。

そうすれば
 AはDに、

 ABGはDEFに等しいから、
  残りのAGBは残りのDFEに等しい【・・・(1)】

それゆえ
 三角形ABGは三角形DEFに等角である。

ゆえに
 ABがBGに対するように
 DEがEFに対する

ところが
 DEがEFに対するように
 ABがBCに対する
 と仮定されている。

したがって
 ABは
 BC、BHの双方に対し同じ比をもつ。

それゆえ
 BCがBGに等しい

ゆえに
 CにおけるBGCに等しい

ところが
 Cにおける直角より小さい
 と仮定されている。

したがって
 BGCも直角より小さい

それゆえ
 その接角AGBは直角より大きい

しかも
 Fにおける等しい
 ことが先に証明された。

ゆえに
 Fにおける直角より大きい
 ことになる。

ところが
 直角より小さい
 と仮定されている。

これは不合理である。

したがって
 ABCはDEFに不等ではない。

それゆえ
 等しい

ところが
 AにおけるもDにおける等しい

ゆえに
 残りのCにおける
 残りのFにおける等しい

したがって
 三角形ABCは三角形DEFに等角である。




次に
 C、Fにおけるの双方が直角より小さくない
 と仮定されるとせよ。

このときにもまた
 三角形ABCは
 三角形DEFに等角である
 と主張する。
 
同じ作図がなされたとき、
 同様にして
 BCがBGに等しい
 ことを証明しうる。

それゆえ
  CにおけるBGCに等しい【・・・(2)】

ところが
 Cにおける直角より小さくない。

ゆえに
 BGCも直角より小さくない。

そこで
 三角形BGCの2の和が
 2直角より小さくない
 ことになる。

これは不可能である。

したがってまた
 ABCはDEFに不等ではない。

それゆえ
 等しい

ところが
 AにおけるもDにおける等しい

ゆえに
 残りのCにおける
 残りのFにおける等しい

したがって
 三角形ABCは三角形DEFに等角である。
  •  △ABC(等角)△DEF
    となっている。

    よってもし
     2つの三角形
     1つのが互いに等しく
     もう一つのをはさむ比例し、
     残りのの双方が
     共に直角より小さいか、
     または
     共に小さくないならば、
     2つの三角形等角であり、
     比例する2にはさまれる等しいであろう。
    これが証明すべきことであった。
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