ユークリッド原論をどう読むか(9509)
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ユークリッド原論
第5巻
命題5ー9(同一比の量)
同一の量に対して
同じ比をもつ量は
互いに等しい。
そして
同一の量が
それらに対して同じ比をもつ量は
互いに等しい。
A、Bの双方が
Cに対し
同じ比をもつとせよ。
AはBに等しい
と主張する。
もし
等しくなかったら
A、Bの双方は
Cに対し同じ比をもたなかったであろう。
- 命題5ー8(量の大小と比の大小)
による。
-
A>B
ならば、
A:C>B:C
となり、
A<B
ならば、
A:C<B:C
となっている。
ところが
もっている。
- 命題の設定
による。
-
A:C=B:C
となっている。
したがって
AはBに等しい。
また
CがA、Bの双方に対し
同じ比をもつとせよ。
AはBに等しい
と主張する。
もし
等しくなかったら、
Cは
A、Bの双方に対し
同じ比をもたなかったであろう。
- 命題5ー8(量の大小と比の大小)
による。
-
A>B
ならば、
C:A<C:B
となり、
A<B
ならば、
C:A>C:B
となっている。
ところが
もっている。
- 命題の設定による。
-
C:A=C:B
となっている。
したがって
AはBに等しい。
よって
同一の量に対して
同じ比をもつ量は互いに等しい。
そして
同一の量が
それらに対して同じ比をもつ量は
互いに等しい。
これが証明すべきことであった。
- 命題5ー7(同一量の比)
の逆である。
- 命題5ー9は、
A:C=B:C
ならば、
A=B、
C:A=C:B
ならば、
A=B
のことである。
- 命題5ー9は推論用命題である。
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