ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論
第10巻
命題10ー67
(双中項線分と長さ通約の線分は同順位の双中項線分)
双中項線分の順位
双中項線分
と
長さにおいて通約
できる
線分
は
それ自身
双中項線分
であり、
順位において
同じである。
双中項線分は、
定義の補足(命題10ー56)
による。
長さにおいて通約は、
定義10ー2の補足
による。
線分は、
定義の補足(命題1ー1)
による。
双中項線分の順位
は、
定義の補足(命題10ー37
、
38
)で定まる順位である。
(以下、
定義の補足(命題10ー67)
(双中項線分の順位)という。)
ABを
双中項線分
とし、
CDをABと
長さにおいて通約
できる
とせよ。
CDは
双中項線分
であり
ABと
順位において
同じである
と主張する。
命題10ー27
(作図.2中項線分;矩形が有理面積、平方でのみ通約)
により、
中項線分AE,EB;
,AE∩^^2 EB
,矩形(AE,EB);有理面積)
をとれば、
命題10ー37
(平方でのみ通約で有理面積をかこむ中項線分和は第1双中項線分)
AB:第一双中項線分、
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
により、
中項線分AE、EB;
AE∩^^2 EB、
矩形(AE、EB);中項面積、
とれば、
命題10ー38
(平方でのみ通約、中項面積を囲む中項線分の和は第2双中項線分)
AB;無理線分、第2の双中項線分
となり、
命題10ー6の系3
(作図.長さ・平方で通約可の線分)
による。
CD;∩AB
となっている。
ABは
双中項線分
である
命題の設定
による。
AB;双中項線分
となっている。
から、
Eで二つの
中項線分
に分けられた
とせよ。
前節、
定義の補足(命題10ー56)
(双中項線分)
による。
AE、EB;中項線分、
AE∩^^2 EB
となっている。
そうすれば
AE、EBは
平方においてのみ通約
できる
中項線分
である。
前節による。
AE∩^^2 EB
となっている。
そして
ABが
CDに
対するように
、
AEが
CFに
対するように
された
とせよ。
[......(1)]
命題6ー2の補足
(作図.比例第4項)
による。
AB:CD=AE:CF
となっている。
そうすれば
残りのEBが
残りのFDに
対するように
、
ABが
CDに対する。
[......(2)]
前節、
命題5ー17
(合比で比例なら分割比でも比例)
による。
EB:FD=AB:CD
となっている。
ところが
ABは
CDと
長さにおいて通約
できる。
命題の設定
による。
AB∩CD
となっている。
したがって
AE、EBの双方も
CF、FDの双方と
通約
できる。
[......(5)]
前節、前々節、
(1)
、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
AE∩CF、
EB∩FD
となっている。
そして
AE、EBは
中項線分
である。
命題の設定
による。
AE、EB;中項線分
となっている。
それゆえ
CF、FDも
中項線分
である。
[......(4)]
前節、
命題10ー23
(中項線分と平方で通約なら中項線分)
による。
CF、FD;中項線分
となっている。
そして
AEが
EBに
対するように
、
CFが
FDに対し、
[......(6)]
(1)
、
(2)
命題5ー11
(同一の比に同じ比)、
命題5ー16
(比例すれば錯比も比例)
による。
AE:EB=CF:FD
となっている。
AE、EBは
平方においてのみ通約
できる
命題の設定
による。
AE∩^^2 EB
となっている。
から、
CF、FDも
平方においてのみ通約
できる。
前節、前々節、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
CF∩^^2 FD
となっている。
ところが
中項線分
である
ことも証明された。
(4)
による。
CF、FD;中項線分
となっている。
したがって
CDは
双中項線分
である。
[......(8)]
前節、
定義の補足(命題10ー56)
(双中項線分)
による。
CD;双中項線分
となっている。
次に
ABと
順位において
同じである
と主張する。
AEが
EBに
対するように
、
CFが
FDに対する
(5)
による。
AE:EB=CF:FD
となっている。
から、
AE上の
正方形
が
矩形
AEBに
対するように
、
CF上の
正方形
が
矩形
CFDに対する。
前節、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)、
命題5ー11
(同一の比に同じ比)
による。
正方(_AE):矩形(AEB)=正方(_CF):矩形(CFD)
となっている。
いれかえて
AE上の
正方形
が
CF上の
正方形
に
対するように
、
矩形
AEBが
矩形
CFDに対する。
前節、
命題5ー16
(比例すれば錯比も比例)
による。
正方(_AE):正方(_CF)=矩形(AEB):矩形(CFD)
となっている。
ところが
AE上の
正方形
は
CF上の
正方形
と
通約
できる。
(6)、
命題10ー9の系2
(長さで通約なら平方で通約)
による。
正方(_AE)∩正方(_CF)
となっている。
したがって
矩形
AEBも
矩形
CFDと
通約
できる。
[......(7)]
前節、前々節、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
矩形(AEB)∩矩形(CFD)
となっている。
そこで
命題の設定により、
AE、EB;中項線分、
AE∩^^2 EB
となり、
命題10ー25
(平方のみ通約な中項線分の矩形は有理面積か中項面積)
による。
矩形(AEB);有理面積か中項面積
となっている。
場合分けになる。
矩形(AEB);有理面積の場合[case01]
、
矩形(AEB);中項面積の場合[case02]
、
場合分け終了[case0e]
case01]
もし
矩形
AEBが
有理面積
である
ならば、
case01である。
矩形(AEB);有理面積
となっている。
矩形
CFDも
有理面積
である。
前節、
(7)
、
定義10ー4の補足
(有理面積、無理面積)
による。
矩形(CFD);有理面積
となっている。
そして
このゆえに
第1の双中項線分
である。
前節、
(8)
、
定義の補足(命題10ー56)
(双中項線分)
による。
CD;第1の双中項線分
となっている。
[case02]
もし
中項面積
である
ならば、
case02である。
矩形(AEB);中項面積
となっている。
中項面積
であり、
双方は
第2の双中項線分
である。
前節、
(8)
、
定義の補足(命題10ー56)
(双中項線分)
による。
CD;第2の双中項線分
となっている。
[case0e]
そして
このゆえに
CDは
ABと
順位において
同じである。
これが証明すべきことであった。
命題10ー67
は、
命題10ー27
、
または
命題10ー28
により、
AE;中項線分、
EB;中項線分、∩^^2 AE、
矩形(AEB);有理面積または中項面積
をとれば、
ABは、
第1または第2の双中項線分
となり、
命題10ー6の系3
により
CD;∩AB、
CF;AB:CD=AE:CF、
FD=CDーFD
をとれば、
CD;ABと同順位の双中項線分
のことである。
命題10ー67
は推論用命題である。
前提
作図・構成
推論
定義
10-4補
,
補(題10-56)
公準
公理
命題
6-2補
,
10-27
,
10-28
,
10-6系3
5-11
,
5-16
,
5-17
,
6-1
,
10-9系2
,
10-11
,
10-23
,
10-25
,
10-37
その他
場合分け
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