ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー37(平方でのみ通約で有理面積をかこむ中項線分和は第1双中項線分)
第1の双中項線分
もし  平方においてのみ通約でき,
  有理面積をかこむ二つの中項線分
  が加えられる
ならば,
 全体は無理線分であり,
 そして
 第1の双中項線分
とよばれる。



 平方においてのみ通約でき,
  有理面積をかこむ二つの
  中項線分AB,BC
  が加えられたとせよ。
 AC全体は
  無理線分である
と主張する。
 ABは
  BCと長さにおいて通約できない

から,
 AB,BC上の正方形の和は
  矩形AB,BCの2
 と通約できない。

そして
合比により
 AB,BC上の二つの正方形
 と矩形AB,BCの2との和,
 すなわち
 AC上の正方形
  矩形AB,BC
 と通約できない。

ところが
 AB,BCは
  有理面積をかこむ線分
  であると仮定される
から,
 矩形AB,BCは
 有理面積である。

したがって
 AC上の正方形
  無理面積である。

よって
 ACも無理線分であり,

 そして
 第1の双中項線分
 とよばれる。

これが証明すべきことであった。
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