ユークリッド原論をどう読むか(9517)
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ユークリッド原論
第5巻
命題5ー17(比例ならば分割比も比例)
もし
量が
合比によって[得られた]比例する[量]
ならば、
分割比によっても
比例するであろう。

AB、BE、CD、DFを
合比によって[得られた]比例する量とし、
ABがBEに対するように、
CDがDFに対するとせよ。
-
同じ比をもつ線分の作図(仮想的)は、
コメント2(命題5ー4)参照のこと
-
AB、BE、DF
に対して、
CD(;;AB:BE=CD:DF)
をとっている。
それらは分割比によっても比例し、
AEがEBに対するように
CFがDFに対するであろう
と主張する。
AE、EB、CF、FDの[任意の]同数倍
GH、HK、LM、MNと
EB、FDの別の任意の同数倍
KO、NPとが
とられたとせよ。【・・・(a)】
- 推論の設定である。
- 量の倍は、命題の補足(定義5ー2)(作図.倍量)
による。
- KO、NPについては、
別の同数倍を作図しておいて、
それぞれGK、LNに対して
量の和(命題の補足(定義5ー14)(作図.量の和))をおこなっている。
- [任意の]同数倍は、コメント(命題5ー4)参照のこと。
-
(GH、HK、LM、MN)=m(AE、EB、CF、FD)、
(KO、NP)=n(EB、FD)
をとっている。
そうすれば
GHはAEの、
HKはEBの同数倍であるから、
- (a)
による。
-
倍数(GH,AE)=倍数(HK,EB)=m
となっている。
GHはAEの、
GKはABの同数倍である。【・・・(1)】
- 命題5ー1(同数倍の和1)
による。
-
倍数(GH,AE)=倍数(GK,AB)=m
となっている。
ところが
GHはAEの、
LMはCFの同数倍である。【・・・(2)】
- (a)
による。
-
倍数(GH,AE)=倍数(LM,CF)=m
となっている。
それゆえ
GKはABの、
LMはCFの同数倍である。【・・・(3)】
- (1)
(2)
による。
-
倍数(GK,AB)=倍数(LM,CF)=m
となっている。
また、
LMはCFの、
MNはFDの同数倍であるから、
- (a)
による。
-
倍数(LM,CF)=倍数(MN,FD)=m
となっている。
LMはCFの、
LNはCDの同数倍である。【・・・(4)】
- 命題5ー1(同数倍の和1)
による。
-
倍数(LM,CF)=倍数(LN,CD)=m
となっている。
ところが
LMはCFの、
GKはABの同数倍であった。
- (3)
による。
-
倍数(LM,CF)=倍数(GK,AB)=m
となっている。
ゆえに
GKはABの、
LNはCDの同数倍である。
-
(4)
による。
-
倍数(GK,AB)=倍数(LN,CD)=m
となっている。
したがって
GK、LNはAB、CDの同数倍である。【・・・(5)】
また
HKはEBの、
MNはFDの同数倍であり、
KOはEBの、
NPはFDの同数倍であるから、
- (a)
による。
-
(HK、MN)=m(EB、FD)、
(KO、NP)=n(EB、FD)
となっている。
和HOはEBの、
[和]MPはFDの同数倍である。【・・・(6)】
- 命題5ー2(同数倍の和2)
による。
-
HO(;=HK+KO)=(m+n)EB、
MP(;=MN+NP)=(m+n)FD
となっている。
そして
ABがBEに対するように、
CDがDFに対し、
- 命題の設定
による。
-
AB:BE=CD:DF
となっている。
AB、CDの同数倍GK、LNと
EB、FDの同数倍HO、MPとがとられたから、
- (5)
(6)
による。
-
(GK、LN)=m(AB、CD)、
(HO、MP)=(m+n)(EB、FD)
となっている。
もし
GKがHOより大きければ
LNもMPより大きく、
等しければ、等しく、
小さければ、小さい。
【・・・(7)】
-
前項、前々項、
定義5ー5(同じ比)
による。
-
GK(<、=、>)HO、
ならば、
LN(<、=、>)MP
となっている。
GKがHOより大きいとし、【・・・(b)】
双方からHKがひかれれば、
GHはKOより大きい。
- 公理1ー4の補足2(不等なものから等しいものをひく)
による。
-
GH>KO
となっている。
ところがもし
GKがHOより大きかったならば、
LNもMPより大きかった。
- (7)
による。
-
GK>HO
ならば、
LN>MP
となっていた。
それゆえ
LNはMPより大きく、
双方からMNがひかれれば、
LMもNPより大きい。【・・・(8)】
- 公理1ー4の補足2(不等なものから等しいものをひく)
による。
-
LN>MP、
LM>NP
となっている。
ゆえにもし
GHがKOより大きいならば、
LMもNPより大きい。
- (b)
(8)
による。
-
GH>KO
ならば、
LM>NP
となっている。
同様にしてもし
GHがKOに等しければ、
LMもNPに等しく、
小さければ、小さいことを証明しうる。
-
GK(=、<)KO
ならば、
LM(=、<)NP
となっている。
そして
GH、LMはAE、CFの[任意]の同数倍であり、
KO、NPはEB、FDの別の任意の同数倍である。
- (a)
による。
- [任意の]同数倍は、コメント(命題5ー4)参照のこと。
-
(GH、LM)=m(AE、CF)、
(KO、NP)=n(EB、FD)
となっている。
したがって
AEがEBに対するように、
CFがFDに対する。
- 定義5ー5(同じ比)
による。
-
AE:EB=CF:FD
となっている。
よってもし
量が
合比によって[得られた]比例する[量]
ならば、
分割比によっても
比例するであろう。
これが証明すべきことであった。
-
A、B、C、Dを
合比によって得られた比例する量とする
のは、
A=Bの場合を除くため
である。
-
A、Bが任意の位置にあっても、
命題1ー3(作図・等しい線分を切り取る)
により、
Bに等しいB'を
Aの一端にとることができる
ので
本命題が成立する。
- 命題5ー17は、
A:B=C:D、
A≠B
ならば、
(AーB):B=(CーD):D
のことである。
- 命題5ー17は推論用命題である。
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