ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論
第6巻
命題6ー23(等角な平行四辺形と辺の比の積)
(比の積は逆順でも同じ)
(小さい比との積は小さい)
等角な2つの平行四辺形は
互いに辺の比の積の比をもつ。

AC、CFを
角BCDが角ECGに等しい
等角な2つの平行四辺形とせよ。
-
命題6ー14の補足4(作図.1組の角が等しい(よって等角な)平行四辺形)
による。
-
平行四辺形AC[CB,CD]、線分CG
に対して、
平行四辺形CF[CG,CE
;;∠GCE=BCD,E;同向側(GC,BC,D)]
をとっている。
平行四辺形ACは
平行四辺形CFに対し、
辺の比の積の比をもつと主張する。
BCが
CGと1直線をなすように
おかれたとせよ。
【・・・(a)】
-
命題6−14の補足(作図.直線図形の頂点共有と辺の1直線)
による。
-
G'(延長BC;;CG'=CG)、
E'(同向側(G'C,BC,D)
;;∠G'CE'=∠BCD,CE'=CE)、
平行四辺形(CG',CE')
G'>>G、
E'>>E、
をとっている。
そうすれば
DCもCEと1直線をなす。
-
(a)、
命題1ー13(直線と2直角1)
により、
角BCDとGCDの和は2直角であり、
命題の設定により
角BCDはECGに等しいので、
公理1ー2(等しいものに等しいものを加える)
により、
角ECGとGCDの和は2直角である。
命題1ー14(直線と2直角2)
により、
DCはCEと1直線をなす。
-
E;上.延長DC
となっている。
平行四辺形DGが完結されたとし、
線分Kが定められ、
-
Kの位置、大きさは
任意である。
公準1ー1の補足(作図.任意の点をとる)
により、
2点をとり、
公準1ー1(作図.直線)
により
線分をひく。
-
線分K[]
をとっている。
BCがCGに対するように、
KがLに対し、
DCがCEに対するように、
LがMに対するとせよ。
【・・・(b)】
-
命題6ー12(作図.比例第4項)
による。
-
線分L[;;BC:CG=K:L]、
線分M[;;DC:CE=L:M]
をとっている。
そうすれば
KがLに対する比と
LがMに対する比とは
辺の比、
すなわち
BCがCGに対する比と
DCがCEに対する比とに
同じである。
-
K:L=BC:CG
L:M=DC:CE
となっている。
ところが
KがMに対する比は
KがLに対する比と
LがMに対する比との積である。
【・・・(c)】
-
定義6ー5(合成・積)
による。
-
K:M=(L:M)×(K:L)
となっている。
それゆえ
KはMに対し
辺の比の積の比をもつ。
そして
BCがCGに対するように、
平行四辺形ACがCHに対し、
-
命題6ー1(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
による。
-
BC:CG=平四AC:平四CH
となっている。
他方
BCがCGに対するように、
KがLに対するから、
KがLに対するように、
ACがCHに対する。
-
(b),
命題5ー11(同一の比に同じ比)
による。
-
K:L=平四AC:平四CH
となっている。
また
DCがCEに対するように、
平行四辺形CHがCFに対し、
-
命題6ー1(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
による。
-
DC:CE=平四CH:平四CF
となっている。
他方
DCがCEに対するように、
LがMに対するから、
LがMに対するように、
平行四辺形CHが平行四辺形CFに対する。
-
(b),
命題5ー11(同一の比に同じ比)
による。
-
L:M=平四CH:平四CF
となっている。
そこで
KがLに対するように、
平行四辺形ACが平行四辺形CHに対し、
LがMに対するように、
平行四辺形CHが平行四辺形CFに対する
ことが証明されたから、
等間隔比により
KがMに対するように、
ACが平行四辺形CFに対する。
-
命題5ー22
(等間隔比と同じ比)
による。
-
K:M=平四AC:平四CF
となっている。
ところが
Kは
Mに対し、
辺の比の積の比をもつ。
-
(c)
による。
-
K:M=(DC:CE)×(BC:CG)
となっている。
それゆえ
ACは
CFに対し辺の比をもつ。
-
命題5ー11(同一の比に同じ比)
による。
-
平四AC:平四CF=(DC:CE)×(BC:CG)
となっている。
よって
等角な2つの平行四辺形は
互いに
辺の比の積の比をもつ。
これが証明すべきことであった。
-
平行四辺形BEを完結させて
推論すると
AC:CF=(BC:CG)×(DC:CE)
となる。
したがって、
比の積において、
積の順が逆になっても
比は同じである。
(以下、命題6ー23の補足(比の積は逆順でも同じ)という。)
これは、
命題5ー23(乱比例の等間隔比は同じ比)
によっても
論証できる。
-
公準1ー1の補足(作図.点)
により
E'(CE)
をとり、
命題1ー31(作図・平行線)、
命題1ー30の補足(交線に平行な線)
により
交点F'(GF,平行線(E',CG))
をとると、
定義の補足(命題1ー34)(平行四辺形・対角線)
により
四角形CF';平行四辺形、
平四AC(等角)平四CF'
である。
その上、
公理1ー8の補足(小さい)
により
平四CF’<平四CF、
CE’<CE。
したがって、
命題5ー8(量の大小と比の大小)
により
平四AC:平四CF'<平四AC:平四CF、
DC:CE'<DC:CE。
よって、
(DC:CE')×(BC:CG)
<(DC:CE)×(BC:CG)。
ここから、
次のことがわかる。
小さい比との積は
大きい比との積より小さい。
(以下、命題6ー23の補足2(小さい比との積は小さい)という。)
- 命題6ー23は、
∠BCD=∠ECG
ならば、
平四(BC,CD):平四(EC,CG)
=(DC:CE)×(BC:CG)
のことである。
-
命題6ー23の補足(比の積は逆順でも同じ)
-
命題6ー23の補足2(小さい比との積は小さい)
- 命題6ー23は推論用命題である。
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