ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論

第6巻

命題6ー23(等角な平行四辺形と辺の比の積)
(比の積は逆順でも同じ)
(小さい比との積は小さい)
等角な2つの平行四辺形
 互いに比の積をもつ。


AC、CFを
 BCDがECGに等しい
 等角な2つの平行四辺形とせよ。

平行四辺形ACは
 平行四辺形CFに対し
 比の積をもつと主張する。
 
BCが
 CGと1直線をなすように
 おかれたとせよ。 【・・・(a)】

そうすれば
 DCもCEと1直線をなす。

平行四辺形DGが完結されたとし、

 線分Kが定められ、

  BCがCGに対するように
 KがLに対し
 DCがCEに対するように
 LがMに対するとせよ。
      【・・・(b)】

そうすれば
 KがLに対する
 LがMに対するとは
 
 すなわち
 BCがCGに対する
 DCがCEに対するとに
 同じである。

ところが
  KがMに対する
 KがLに対する
 LがMに対するとの積である。       【・・・(c)】

それゆえ
 KはMに対し
 比の積をもつ。

そして
 BCがCGに対するように
 平行四辺形ACがCHに対し

 他方
 BCがCGに対するように
 KがLに対するから、

 KがLに対するように
 ACがCHに対する

また
 DCがCEに対するように
 平行四辺形CHがCFに対し

 他方
 DCがCEに対するように
 LがMに対するから、

 LがMに対するように
 平行四辺形CHが平行四辺形CFに対する

そこで
 KがLに対するように
 平行四辺形ACが平行四辺形CHに対し
 LがMに対するように
 平行四辺形CHが平行四辺形CFに対する
 ことが証明されたから、
 等間隔比により
 KがMに対するように
 ACが平行四辺形CFに対する

ところが
 Kは
 Mに対し
 比の積をもつ。

それゆえ
 ACは
 CFに対しをもつ。

よって
 等角な2つの平行四辺形
 互いに
 比の積をもつ。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭