ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論
第10巻
命題10ー75
(中項線分から平方のみ通約で中項面積をかこむ中項線分を引くと第2の中項余線分)
第2の中項余線分
もし
中項線分
から
全体と
平方においてのみ通約
でき、
全体と共に
中項面積
を
かこ
む
中項線分
が
ひかれる
ならば、
残りは
無理線分
である。
そして
第2の中項余線分
と
よばれる。
中項線分は、
定義の補足(命題10ー21)
による。
平方においてのみ通約は、
定義の補足(命題10ー19助)
による。
中項面積は、
定義の補足2(命題10ー23)
による。
無理線分は、
定義10ー4
による。
第2の中項余線分
とは、
平方においてのみ通約可能な
2中項線分が
中項面積を
かこむ
とき、
その差のこと
をいう
(以下、
定義の補足(命題10ー75)
(第2の中項余線分)という。)
による。
中項線分
ABから
中項線分
CBが
ひかれ、
CBは
全体ABと
平方においてのみ通約
でき、
全体ABと共に
中項面積
である
矩形
AB、BCを
かこ
む
とせよ。
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
により、
2中項線分を
とり、
大きい方を
AB、
小さい方を
BC
とする。
命題1ー3
(作図・等しい線分を切り取る)
により、
C’(AB;BC’=BC)をとり、
改めて、
C’を
C
とする。
AB、BC;中項線分、
AB∩^^2 BC
矩形(AB、BC);有理面積
となっている。
残りのACは
無理線分
である
と主張する、
そして
第2の中項余線分
と
よばれる。
有理線分
DIが
定められ、
AB、BC上の
正方形
の和
に
等し
く、
DI上にDGを
幅
とする
DEが
つくられ、
矩形
AB、BCの2
倍
に
等し
く
DI上にDFを
幅
として
DHが
つくられた
とせよ。
[......(1)]
命題の補足2(定義10ー3)
(作図.任意の有理線分)、
命題6ー16の補足3
(作図.線分上に矩形と等しい矩形)
による。
DI;有理線分、
点G(;矩形DE(DI、DG)=正方(_AB)+正方(_BC)
点F(;矩形DH(DI、DF)=2矩形(AB、BC)
となっている。
そうすれば
残りのFEは
AC上の
正方形
に
等し
い。
[......(4)]
前節、
命題2ー7
(差の平方)
による。
矩形FE=正方(_AC)
となっている。
<そして>〔さて〕
AB、BC上の二つの
正方形
は
共に
中項面積
であり
通約
できる
から、
DEも
中項面積
である。
命題の設定
、
定義の補足(命題10ー21)
(中項線分)、
命題10ー15
(通約量はその和・差とも通約)、
命題10ー23の系
(中項面積と通約なら中項面積)
による。
正方(_AB)∩正方(_BC);中項面積、
DE;中項面積
となっている。
そして
有理線分
DI上にDGを
幅
として
つくられている。
(1)
による。
矩形DE(DI、DG)
となっている。
したがって
DGは
有理線分
であり
DIと
長さにおいて通約
できない。
[......(2)]
前節、
命題10ー22
(中項線分上正方形に等矩形で底辺有理線分なら幅は有理で非通約)
による。
DG;¬∩DI、有理線分
となっている。
また
矩形
AB、BCは
中項面積
である
から、
矩形
AB、BCの2
倍
も
中項面積
である、
命題の設定
、
定義10ー1
(通約)、
命題10ー23の系
(中項面積と通約なら中項面積)
による。
2矩形(AB、BC);中項面積
となっている。
そして
DH
に
等し
い。
(1)
による。
矩形DH=2矩形(AB、BC)
となっている。
したがって
DHも
中項面積
である。
前節、前々節による。
矩形DH;中項面積
となっている。
そして
有理線分
DIにDFを
幅
として
つくられた。
(1)
による。
矩形DH(DI、DF)
となっている。
したがって
DFは
有理線分
であり
DIと
長さにおいて通約
できない。
[......(3)]
前節、
命題10ー22
(中項線分上正方形に等矩形で底辺有理線分なら幅は有理で非通約)
による。
DF;¬∩DI、有理線分
となっている。
そして
AB、BCは
平方においてのみ通約
できる
から、
ABは
BCと
長さにおいて通約
できない。
<
命題の設定
、
定義の補足4(命題10ー23)
(平方においてのみ通約できる中項線分)
による。
AB;¬BC
となっている。
したがって
AB上の
正方形
も
矩形
AB、BCと
通約
できない。
前節、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
命題10ー13
(通約量と非通約なら非通約)
による。
正方(_AB);¬∩矩形(AB、BC)
となっている。
ところが
AB、BC上の
正方形
の和は
AB上の
正方形
と
通約
でき、
矩形
AB、BCの2
倍
は
矩形
AB、BCと
通約
できる。
命題の設定
、
定義10ー1
(通約)
命題10ー15
(通約量はその和・差とも通約)
による。
正方(_AB)+正方(_BC)∩正方(_AB)、
2矩形(AB、BC)∩矩形(AB、BC)
となっている。
したがって
矩形
AB、BCの2
倍
は
AB、BC上の
正方形
の和と
通約
できない。
前節、
命題10ー13
(通約量と非通約なら非通約)
による。
2矩形(AB、BC)¬∩正方(_AB)+正方(_BC)
となっている。
ところが
DEは
AB、BC上の
正方形
の和に、
DHは
矩形
AB、BCの2
倍
に
等し
い。
(1)
による。
矩形DE=正方(_AB)+正方(_BC)
矩形DH=2矩形(AB、BC)
となっている。
したがって
DEは
DHと
通約
できない。
前節、前々節による。
矩形DE¬∩矩形DH
となっている。
ところが
DEが
DHに
対する
ように、
GDが
DFに
対する
。
(1)、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
による。
矩形DE:矩形DH=GD:DF
となっている。
したがって
GDは
DFと
通約
できない。
前節、前々節、
命題10ー11
(4量比例で一方が通約なら他方も通約)
による。
GD¬∩DF
となっている。
そして
両方とも
有理線分
である、
(2)
(3)
による。
GD、DF;有理線分
となっている。
それゆえ
GD、DFは
平方においてのみ通約
できる
有理線分
である。
前節、前々節、
定義10ー3の補足
(有理線分)
による。
GD、DF;有理線分、
GD∩^^2 DF
となっている。
したがって
FGは
余線分
である。
前節、
定義の補足(命題10ー73)
(余線分)
による。
FG;余線分
となっている。
ところが
DIは
有理線分
である。
(1)
による。
DI;有理線分
となっている。
そして
有理線分
と
無理線分
によって
かこ
まれる
矩形
は
無理面積
であり、
それ
に
等し
い
正方形
の辺は
無理線分
である。
命題10ー38の補足(有理線分と無理線分による矩形は無理面積)
定義10ー4(面積の有理、無理、無理線分)
による。
矩形EF;無理面積
となっている。
そして
ACは
FEに
等し
い
正方形
の辺
である。
(4)
による。
正方(_AC)=矩形FE
となっている。
よって
ACは
無理線分
である。
前節、前々節、
定義10ー4
(面積の有理、無理、無理線分)
による。
AC;無理線分
となっている。
そして
第2の中項余線分
と
よばれる。
前節、
定義の補足(命題10ー75)
(第2の中項余線分)
による。
AC;第2の中項余線分
となっている。
これが
証明すべきこと
であった。
命題10ー75
は、
命題10ー28
(作図.2中項線分;矩形が中項面積、平方でのみ通約)
により、
2中項線分を
とり、
大きい方を
AB、
小さい方を
BC
命題1ー3
(作図・等しい線分を切り取る)
により、
ACからBCを引くと、
ACは
第2の中項余線分
とよばれる
無理線分
のことである。
命題10ー75
は推論用命題である。
前提
作図・構成
推論
定義
10-1
,
10-3補
,
10-4
,
補(題10-21)
,
補4(題10-23)
,
補(題10-73)
,
補(題10-75)
公準
公理
命題
1-3
,
6-16補3
,
補2(義10-3)
,
10-28
2-7
,
6-1
,
10-11
,
10-13
,
10-15
,
10-22
,
10-23系
その他
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