ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論
第10巻
命題10ー76
(平方和が有理面積、かこむ矩形が中項面積、平方で非通約の2線分の差は劣線分)
劣線分
もし
線分
から
その
線分
全体と
平方において通約
できない
線分
が
ひかれ、
全体と
ひかれた
線分
との上の
二つの
正方形
の和を
有理面積
とし、
それらによって
かこまれる
矩形
を
中項面積
とする
ならば、
残りは
無理線分
である。
そして
劣線分
とよばれる。
線分は、
定義の補足(命題1ー1)
による。
平方において通約は、
定義10ー2
による。
正方形は、
定義1ー22
による。
有理面積は、
定義10ー4の補足
による。
矩形は、
定義1ー22
による。
中項面積は、
定義の補足2(命題10ー23)
による。
無理線分は、
定義10ー4
による。
劣線分
とは、
平方において通約できない
2線分が
平方和を有理面積
とし、
中項面積を
かこむ
とき、
その差のこと
をいう。
(以下、
定義の補足(命題10ー76)
(劣線分)という。)
による。
線分
ABから
線分
BCが
ひかれ、
BCは
全体と
平方において通約
できず
与えられた条件を
みたす
とせよ。
命題10ー33
(作図.2線分;平方で非通約、平方和が有理面積、矩形が中項面積)
により、
2線分をとり、
大きい方をAB、
小さい方をBC
とし、
命題1ー3
(作図・等しい線分を切り取る)
により、
C’(AB;BC’=BC)
をとり、
改めて、
C’をC
とする。
AB¬∩^2 BC、
正方(_AB)+正方(_BC);有理面積
矩形(AB、BC);中項面積
AB>BC
となっている。
残りのACは
劣線分
とよばれる
無理線分
である
と主張する。
AB、BC上の
正方形
の和は
有理面積
であり、
命題の設定
による。
正方(_AB)+正方(_BC);有理面積
となっている。
矩形
AB、BCの2倍は
中項面積
である
命題の設定
、
命題10ー6
(量が数:数なら通約可)
命題10ー23の系
(中項面積と通約なら中項面積)
による。
2矩形(AB、BC);中項面積
となっている。
から、
AC、BC上の
正方形
の和は
矩形
AB、BCの2倍と
通約できない。
前節、前々節、
命題10ー23の補足6
(有理面積と中項面積は非通約)
による。
正方(_AB)+正方(_BC)¬∩2矩形(AB、BC)
となっている。
そして
反転<比により>[させて、]
AB、BC上の
正方形
の和は
残りのAC上の
正方形
と
通約できない。
前節、
命題10ー16
(非通約量はその和・差とも非通約)
による。
論証の流れでは、
比は
ここに
登場しない
から、
「in conversion」を
「反転比により」とするのは
適切ではない。
正方(_AB)+正方(_BC)¬∩正方(_AC)
となっている。
ところが
AB、BC上の
正方形
の和は
有理面積
である。
命題の設定
である。
正方(_AB)+正方(_BC);有理面積
となっている。
したがって
AC上の
正方形
は
無理面積である。
前節、前々節、
命題10ー23の補足6
(有理面積と中項面積は非通約)
による。
正方(_AB)+正方(_BC)¬∩正方(_AC)
となっている。
よって
ACは
無理線分
である。
前節、
定義10ー4の補足
(有理面積、無理面積)
による。
AC:無理面積
となっている。
そして
劣線分
とよぱれる。
前節、
定義の補足(命題10ー76)
(劣線分)
による。
AC;劣線分
となっている。
これが証明すべきことであった。
命題10ー76
は、
命題10ー33
(作図.2線分;平方で非通約、平方和が有理面積、矩形が中項面積)
により、
2線分を
とり、
大きい方を
AB、
小さい方を
BC
命題1ー3
(作図・等しい線分を切り取る)
により、
ACからBCを引くと、
残りのACは
劣線分とよばれる
無理線分
のことである。
命題10ー76
は推論用命題である。
前提
作図・構成
推論
定義
10-4補
,
補(題10-76)
公準
公理
命題
1-3
,
10-33
10-6
,
10-16
,
10-23系
,
10-23補6
その他
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