ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー21(平方のみ通約可の有理線分の矩形と無理面積・無理線分)
中項線分

 平方においてのみ通約できる
 有理線分によってかこまれる矩形
 無理面積であり、
 それに等しい正方形
 無理線分であり、
 これを中項線分とよぶ。



 矩形ACが
 平方においてのみ通約できる
 有理線分AB、BCによって
 かこまれる
とせよ。

 ACは無理面積であり、
 それに等しい正方形無理線分である
と主張する。

そして
 これを中項線分とよぶ。

 AB上に正方形ADが描かれた
とせよ。
      [......(a)]

そうすれば
 ADは有理面積である。
      [......(1)]

そして
 ABは
 BCと長さにおいて通約できない、
なぜなら
 平方においてのみ通約できる
と仮定されている
から。

そして
 ABはBDに等しい

から、
 DBもBCと長さにおいて通約できない。

そして
 DBがBCに対するように、
 ADがACに対する。

したがって
 DAはACと通約できない。

そして
 DAは有理面積である。

したがって
 ACは無理面積である。

ゆえに
 ACに等しい正方形
 無理線分であり、

 それを中項線分とよぶ。

 これが証明すべきことであった。
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