ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論

第6巻

命題6ー26(共通角の平行四辺形の相似と対角線)
もし
 平行四辺形から
 全体に相似
  かつ
  相似な位置にあり、
  全体と共通なをもつ
  平行四辺形が切りとられるならば、
 それは全体と同じ対角線をはさんでいる。


平行四辺形ABCDから
 ABCDに相似
 かつ
 相似な位置にあり、
 それと共通なDABをもつ
 平行四辺形AFが切り取られたとせよ。

ABCDは
 AFと同じ対角線をはさんでいる
 と主張する。
 
そうでないとすれば、
 もし可能ならば

 AHCを対角線とし、

 GFが延長されてHまでひかれ、

 Hを通り
 AD、BCのどちらかに平行
 HKがひかれたとせよ。

 
そうすれば
 ABCDは
 KGと同じ対角線をはさんでいるから、

 DAがABに対するように
 GAがAKに対する

ところが
 ABCD、EGが相似であるため、

 DAがABに対するように
 GAがAEに対する

それゆえ
 GAがAKに対するように
 GAがAEに対する

ゆえに
 GAは
 AK、AEの双方に対し
 同じ比をもつ。
すなわち
 小さいものが大きいものに等しい

これは不可能なことである。
それゆえ
 ABCDは
 平行四辺形AFと同じ対角線をはさんでいる。

よってもし
 平行四辺形から
 全体に相似
  かつ
  相似な位置にあり、
  全体と共通なをもつ
  平行四辺形が切りとられるならば、
 それは
 全体と同じ対角線をはさんでいる。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭