ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論

第6巻

命題6ー27(相似な平行四辺形が欠けた平行四辺形)
「欠けている」  「なぜなら(追加説明)」

1つの線分半分の上に
 描かれた平行四辺形
 相似で、かつ相似な位置にある
 平行四辺形だけ欠けた平行四辺形
 いくつかその同じ線分上につくられるとき、
 それらすべてのうち最大なものは、
 その線分半分の上につくられ、
 かつ欠けている部分に相似平行四辺形である。


ABを線分とし、
 それがCにおいて2等分されたとし、

 線分AB上に
 ABの半分
 すなわち
 CB上に描かれた平行四辺形DBだけ

 欠けている平行四辺形ADがつくられたとせよ。

AB上につくられ、
 DBに
 相似でかつ相似な位置にある
 平行四辺形だけ欠けている
 すべての平行四辺形のうち、

 ADが最大である[。]
 《と主張する。
なぜなら》[すなわち]
 線分AB上に
 DBに
 相似でかつ相似な位置にある
 平行四辺形FBだけ欠けている
 平行四辺形AFが描かれたとせよ。

ADは
 AFより大きいと主張する。

平行四辺形DBは
 平行四辺形FBに相似であるから、

 同じ対角線をはさんでいる。

それらの対角線DBがひかれ、

 そして
 作図がされたとせよ。

そうすれば
 CFはFEに等しく

 FBは共通であるから、
 CH全体はKE全体に等しい

ところが
 ACはCBに等しいから、

 CHはCGに等しい

それゆえ
 GCもEKに等しい

双方にCFが加えられたとせよ。
そうすれば
 AF全体はグノーモーンLMNに等しい

したがって
 平行四辺形DB、すなわちADは
 平行四辺形AFより大きい

よって
 1つの線分半分の上に
 描かれた平行四辺形
 相似で、かつ相似な位置にある
 平行四辺形だけ欠けた平行四辺形
 いくつかその同じ線分上につくられるとき、
 それらすべてのうち最大なものは、
 その線分半分の上につくられ、
 かつ
 欠けている部分に相似平行四辺形である。
これが証明すべきことであった。
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