ユークリッド原論をどう読むか(4)
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ユークリッド原論
第1巻

命題1−46(作図.線分上に正方形)
与えられた線分上に
 正方形を描くこと。 与えられた線分をABとせよ。

このとき
 線分AB上に
 正方形を描かねばならぬ。



線分ABに
 その上のAから
 直角にACがひかれ、 ADをABに等しくせよ。 【・・・(a)】 そして
 Dを通り、ABに平行
 DEがひかれ、 Bを通り、
 ADに平行にBEが
 ひかれたとせよ。 【・・・(b)】 そうすれば
 ADEBは平行四辺形である。 ゆえに
 ABはDEに、
 ADはBEに等しい ところが
 ABはADに等しい したがって
 4BA、AD、DE、EBは
 互いに等しい ゆえに
 平行四辺形ADEBは等辺である。 【・・・(1)】 ついで
 方形でもあると主張する。

線分ADが
 平行線AB、DEに交わったから、
 BAD、ADEの和は
 2直角等しい そして
 角BADは直角である。 それゆえ
 角ADEも直角である。 【・・・(2)】 ところが
 平行四辺形において
 対辺および対角は互いに等しい ゆえに
 対角ABE、BEDの双方は
 直角である。
したがって
 AEDBは方形である。 そして
 等辺であることも先に証明された。 よって
 それは正方形である。 そして
 線分AB上に描かれている。
 
これが作図すべきものであった。       目次   頁頭