ユークリッド原論をどう読むか(4)
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ユークリッド原論
第1巻
命題1−46
(作図.線分上に正方形)
与えられた
線分
上に
正方形
を描くこと。
線分は、
定義1−4の補足
による。
正方形は、
定義1−22
による。
与えられた
線分
をABとせよ。
線分AB
をとっている。
このとき
線分
AB上に
正方形
を描かねばならぬ。
線分
ABに
その上の
点
Aから
直角
にACがひかれ、
命題1−11
(作図・線分からの垂線)
による。
半直線AC[;;∠CAB=∠R]
をとっている。
ADをABに
等しく
せよ。
【・・・(a)】
命題1−3の補足
(作図.等しい線分となる点)
による。
点D(AC;;AD=AB)
をとっている。
そして
点
Dを通り、ABに
平行
に
DEがひかれ、
命題1−31
(作図・平行線)
による。
平行線DE'(D,AB)
をとっている。
点
Bを通り、
ADに
平行
にBEが
ひかれたとせよ。
【・・・(b)】
命題1−31
(作図・平行線)
による。
交点E(DE',平行線(B,AD))
をとっている。
そうすれば
ADEBは
平行四辺形
である。
(a)
(b)
,
定義の補足(命題1−34)
(平行四辺形・対角線)
による。
ABCD;平行四辺形
となっている。
ゆえに
ABはDEに、
ADはBEに
等しい
。
命題1−34
(平行四辺形の対辺・対角・対角線)
による。
AB=DE、
AD=BE
となっている。
ところが
ABはADに
等しい
。
(a)
による。
AB=AD
となっている。
したがって
4
辺
BA、AD、DE、EBは
互いに
等しい
。
公理1−1
(同じものに等しい)
による。
BA=AD=DE=EB
となっている。
ゆえに
平行四辺形
ADEBは
等辺
である。
【・・・(1)】
定義1−20の補足
(等辺)
による。
平四ADEB;等辺
となっている。
ついで
方形
でもあると主張する。
線分
ADが
平行線
AB、DEに
交わっ
たから、
角
BAD、ADEの和は
2
直角
に
等しい
。
(a)
(b)
,
命題1−29
(平行と錯角、内対角、同側内角)
による。
∠BAD+∠ADE=2∠R
となっている。
そして
角BADは
直角
である。
(a)
による。
∠BAD=∠R
となっている。
それゆえ
角ADEも
直角
である。
【・・・(2)】
公理1−3
(等しいものから等しいものをひく)
による。
∠ADE=∠R
となっている。
ところが
平行四辺形
において
対辺
および
対角
は互いに
等しい
。
命題1−34
(平行四辺形の対辺・対角・対角線)
である。
ゆえに
対角
ABE、BEDの双方は
直角
である。
(2)
,前節による。
∠ABE=∠BED=∠R
となっている。
したがって
AEDBは
方形
である。
定義1−22の補足3
(方形)
による。
AEDB;方形
となっている。
そして
等辺
であることも先に証明された。
(1)
による。
AEDB;等辺
となっている。
よって
それは
正方形
である。
定義1−22
(正方形・矩形・菱形・長斜方形・トラペジオン)
による。
AEDB;正方形
となっている。
そして
線分
AB上に描かれている。
これが作図すべきものであった。
命題1-46
は、
線分AB
に対して、
半直線AC[;;∠CAB=∠R]、
点D(AC;AD=AB)、
平行線DE'(D,AB)、
交点E(DE',平行線(B,AD)、
をとれば、
ADEB;正方形
のことである。
命題1-46
は作図用命題である。
前提
作図
推論
定義
1-20補
、
1-22
、
1-22補足3
、
補(題1-34)
公準
公理
1-1
、
1-3
命題
1-3補
、
1-11
、
1-31
1-29
、
1-34
その他
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