ユークリッド原論をどう読むか(13)
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ユークリッド原論

第9巻
 
命題9ー17(順次比例で外項が互に素と末項)
もし
 順次に比例する任意個のがあり、
 その外項互いに素である
ならば、
 第1のが第2の対するように
 末項が他のいかなるにも対さない
であろう。




 順次に比例する任意個の
 A、B、C、Dがある
とし、
 それらの外項A、Dが
 互いに素である
とせよ。

 AがBに対するように
 Dは他のいかなるにも対さない
と主張する。

もし可能ならば、

 AがBに対するように
 DがEに対するとせよ。

そうすれば
 いれかえて
 AがDに対するように
 BがEに対する

ところが
 A、Dは[互いに]素であり、

 [互いに]素であるものは最小であり、

 最小である
 同じ比をもつ割り切り
 前項前項を、
 後項後項割り切り
 その等しい

ゆえに
 AはBを割り切る
となっている。
      [......(1)]

そして
 AがBに対するように
 BがCに対する

ゆえに
 BもCを割り切る
      [......(2)]

したがって
 AもCを割り切る
      [......(3)]

そして
 BがCに対するように
 CがDに対し、

 BがCを割り切る

から、
 CもDを割り切る

ところが
 AはCを割り切った。

それゆえ
 AはDをも割り切る

しかも
 自分白身をも割り切る

ゆえに
 Aは互いに素である
 A、Dを割り切る

これは不可能である。

したがって
 AがBに対するように
 Dは他のいかなるにも対さない
であろう。

 これが証明すべきことであった。

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