ユークリッド原論をどう読むか(13)
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ユークリッド原論

第9巻
 
命題9ー18構成.第3比例項)
 二つのが与えられた
とき、
 それらに対し
 第3の比例項を見いだすことが
 可能であるかどうかを
吟味すること。




 与えられた2をA、B
とし、
 それらに対し
 第3の比例項を見いだすことが
 可能であるかどうかを
吟味せねばならぬ。


さて
 A、Bは
 互いに素であるか
 ないか
である。

もし
 互いに素
であれば、

 それらに対し
 第3の比例項を見いだすことは
 不可能である
ことが証明された。

次に
 A、Bが互いに素でない
とし、

 Bは2乗してCをつくる
とせよ。
      [......(a)]

そうすれば
 Aは
 Cを割り切る
 割り切らないか
である。

まず
 割り切る
とし、
  •  A|C
    となっている。
     そのをD
    とせよ。

    そうすれば
     AはDにかけてCをつくった。

    ところが
     Bも2乗してCをつくった。

    ゆえに
     A、Dの
     Bの平方数等しい

    したがって
     AがBに対するように
     BがDに対する

    よって
     A、Bに対し
     第3の比例項Dが見いだされた。

    次に
     AがCを割り切らない
    とせよ。

     A、Bに対し
     第3の比例項を見いだすことは
     不可能である
    と主張する。

    もし可能ならば

     Dが見いだされた
    とせよ。

    そうすれば
     A、Dの
     Bの平方数等しい

    ところが
     Bの平方数はCである。

    ゆえに
     A、DのはCに等しい

    したがって
     AはDにかけてCをつくった。

    それゆえ
     AがCを割ったはDである。

    ところが
     割り切らない
    と仮定されている。

     これは不合理である。

    ゆえに
     AがCを割り切らない
    とき、
     A、Bに対し
     第3の比例項を見いだす
     ことは不可能である。

     これが証明すべきことであった。

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