ユークリッド原論をどう読むか(3)
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ユークリッド原論
第1巻

命題1ー29(平行と錯角、内対角、同側内角)
一つの直線
 二つの平行線交わってなす錯角
 互いに等しく
 外角内対角等しく
 同側内角の和は2直角等しい 直線EFが
 平行線AB、CDに交わるとせよ。

錯角AGH、GHDは等しく
 外角EGBは内対角GHDに等しく
 同側内角BGH、GHDの和は
 2直角等しいと主張する。
 


もし
 AGHが
 GHDに等しくないならば、 それらの一方が大きい [大きい場合]
AGHが大きいとせよ。
      【・・・(a)】 双方に
 BGHが加えられたとせよ。
そうすれば
 AGH、BGHの和は
 BGH、GHDの和より大きい ところが
 AGH、BGHの和は
 2直角等しい ゆえに
 BGH、GHDの和は
 2直角より小さい そして
 その和が
 2直角より小さいから
 限りなく延長された2直線
 交わる
それゆえ
 AB、CDは限りなく延長されるとき
 交わるであろう。 ところが
 それらは平行であると
 仮定されているから 交わらない。 [小さいきい場合も、
同様に証明できる。]

[3つの場合のうち、
 2つの場合が不可能である。]

ゆえに
 AGHは
 GHDに不等ではない。 したがって
 等しい【・・・(1)】 また
 AGHはEGBに等しい したがって
 EGBもGHDに等しい 双方に
 BGHが加えられたとせよ。
そうすれば
 EGB、BGHの和は
 BGH、GHDの和に等しい ところが
 EGB、BGHの和は
 2直角等しい ゆえに
 BGH、GHDの和も
 2直角等しい よって
 一つの直線
 二つの平行線交わってなす錯角は
 互いに等しく
 外角は内対角等しく
 同側内角の和は2直角等しい
 
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭