ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー88(作図.第4の余線分)
  第4の余線分
   見いだす
こと。



 有理線分Aが
   定められ,
 BGが
  Aと長さにおいて通約
   できるようにせよ。

そうすれば
 BGも
  有理線分
   である。
      [......(1)]


 二つのDF,FEが
   定められ,
 DE全体が
  DF,EFの双方に対し,
 平方数
  平方数対す
   もたない
ようにせよ。
      [......(2)]

そして
 DEが
  EFに対するように,
 BG上の正方形
  GC上の正方形
   対す
ようにされたとせよ。
      [......(4)]

そうすれば
 BG上の正方形
  GC上の正方形通約
   できる。

ところが
 BG上の正方形
  有理面積
   である。

したがって
 GC上の正方形
  有理面積
   である。

それゆえ
 GCは
  有理線分
   である。
      [......(3)]

そして
 DEは
  EFに対し,
 平方数
  平方数対す
   もたない

から,
 BG上の正方形
  GC上の正方形に対し,
 平方数
  平方数
   対す
  
   もたない。

したがって
 BGは
  GCと長さにおいて通約
   できない。

そして
 両方とも
  有理線分である。

ゆえに
 BG,GCは
  平方においてのみ通約
   できる
  有理線分
である。

したがって
 BCは
  余線分
   である。


[次に第4の余線分でもあると主張する。]

そこで
  H上の正方形
  BG上の正方形
  GC上の正方形との差
とせよ。
      [......(5)]

そうすれば
 DEが
  EFに対するように,
 BG上の正方形
  GC上の正方形
   対す

から,
反転比により
 EDが
  DFに対するように,
 GB上の正方形
  H上の正方形
   対する。

ところが
 EDは
  DFに対し,
 平方数
  平方数対す
   もたない。

したがって
 GB上の正方形
  H上の正方形に対し,
 平方数
  平方数対す
   もたない。

ゆえに
 BGは
  Hと長さにおいて通約
   できない。

そして
 BG上の正方形
  GC上の正方形より
  H上の正方形だけ
   大きい。

したがって
 BG上の正方形
  GC上の正方形より
  BGと通約できない線分上の正方形だけ
   大きい。

そして
 BG全体は
  定められた有理線分
  長さにおいて通約
   できる。

したがって
 BCは
  第4の余線分
   である。


よって
 第4の余線分
   見いだされた。
これが証明すべきことであった。
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