ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー82(劣線分に付加して全体と、平方で非通約、平方和が有理面積、全体と中項面積をかこむ線分は唯一)
 劣線分には
  それに付加
   されて
  全体と平方において通約
   できず、
  それらすなわち全体と
  付加された線分
  の上の正方形の和を
   有理面積とし、
  それらによってかこまれる矩形の2
   中項面積とする
  ただーつの線分
   ある。



  ABを
   劣線分とし、
  ABに
 BCが
   付加された
とせよ。
そうすれば
 AC、CBは
  平方において通約
   できず、
  それらの上の正方形の和を
   有理面積とし、
  それらによってかこまれる矩形の2
   中項面積とする。

 ABには
  同じ条件を満たす他のいかなる線分
   付加されない
と主張する。

もし
可能ならば、
 BDが
  付加された
とせよ。

そうすれば
 AD、DBは
  平方において通約
   できず
  上述の条件を
   みたす。

そして
  AD、DB上の正方形の和と
  AC、CB上の正方形の和と
 の差は
  矩形AD、DBの2
  矩形AC、CBの2との差
   に等しく、

  AD、DB上の正方形の和と
  AC、CB上の正方形の和と
 の差は
   有理面積である、
なぜなら
 両方とも
   有理面積である
から。

したがって
 矩形AD、DBの2
  矩形AC、CBの2より
  有理面積だけ
   大きい。

これは不可能である。
なぜなら
 両方とも
   中項面積である
から。

よって
 劣線分には
  それに付加されて
  全体と平方において通約
   できず、
  それらの上の正方形の和を
   有理面積とし、
  それらによってかこまれる矩形の2
   中項面積とする
 ただ一つの線分
   ある。

これが証明すべきことであった。
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