ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論

第6巻

命題6ー19(相似な三角形の比は辺の比の2乗)
(系.比例3線分と第1、2上の相似な図形)
相似三角形
 互いに対応する
 2乗の比をもつ。


ABC、DEFを
 BにおけるがEにおける等しく
 ABがBCに対するように
 DEがEFに対し
 BCがEFに対応する
 相似三角形とせよ。

三角形ABCは
 三角形DEFに対し
 BCがEFに対する2乗の比をもつ
 と主張する。

BC、EFの第3の比例項BGがとられ、
 BCがEFに対するように
 EFがBGに対するとせよ。 【・・・(a)】

そして
 AGが結ばれたとせよ。

そうすれば
 ABがBCに対するように
 DEがEFに対するから、

 いれかえて
 ABがDEに対するように
 BCがEFに対する

ところが
 BCがEFに対するように
 EFがBGに対する

それゆえ
 ABがDEに対するように
 EFがBGに対する

ゆえに
 三角形ABG、DEFの
 等しいをはさむ
 比例する。

ところが
 1つの等しくし、
 《等角》[等しい]を
  はさむ比例する
 2つの三角形
 等しい

したがって
  三角形ABGは
 三角形DEFに等しい【・・・(1)】
そして
 BCがEFに対するように
 EFがBGに対し

 しかももし
 3線分比例するならば、
 第1は第3に対し
 第2に対する2乗の比をもつから、

 BCは
 BGに対し
 CBがEFに対する2乗の比をもつ。

ところが
 CBがBGに対するように
 三角形ABCが三角形ABGに対する

それゆえ
 三角形ABCは
 ABGに対し
 BCがEFに対する2乗の比をもつ。

ところが
 三角形ABGは
 三角形DEFに等しい

したがって
 三角形ABCは
 三角形DEFに対し
 BCがEFに対する2乗の比をもつ。

よって
 相似三角形
 互いに対応する2乗の比をもつ。

これから
 次のことが明らかである、
 すなわち
  もし
 3線分比例するならば、
 第1が第3に対するように
 第1の上に描かれた図形が
 第2の上に描かれた
 相似でかつ相似な位置にある図形に対する
(以下、命題6ー19の系(系.比例3線分と第1、2上の相似な図形) という。)
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭