ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論
第6巻
命題6ー15
(等積で1角の等しい三角形と逆比例)
等しく
かつ1つの
角
を互いに
等しく
する
2つの
三角形
の
等しい
角
をはさむ
辺
は
逆比例
する。
そして
1つの
角
を互いに
等しく
し、
≪
等角
≫[
等しい角
]をはさむ
辺
が
逆比例
する
2つの
三角形
は
等しい
。
等しいは、
公理1ー7
による。
ここでは面積が等しいことである。
角は、
定義1ー8
による。
三角形は、
定義1ー19の補足2
による。
辺は、
定義1ー19の補足
による。
逆比例は、
定義6ー2
による。
ABC、ADEを
等しく
てかつ1
角
が1
角
に、
すなわち
角
BACが
角
DAEに
等しい
三角形
とせよ。
△ABC
に対して
等しい三角形を作図することは、
本命題の立場においては仮想的である。
本命題の後半において、
実際的となる。
命題6−14の補足
(作図.直線図形の頂点共有と辺の1直線)
による。
△ABC
に対して
△ADE[;;∠BAC=∠DAE,△ADE=△ABC]
をとっている。
三角形
ABC、ADEの
等しい
角
をはさむ
辺
は
逆比例
する、
すなわち
CAがADに
対するように
、
EAがABに
対する
と主張する。
CAがADと1
直線
をなすように
おかれたとせよ。
【・・・(a)】
命題6−14の補足
(作図.直線図形の頂点共有と辺の1直線)
による。
さらに、
直線CADについて、
BがEと反対側になるように、
必要があれば、
三角形ADEを裏返す。
D;上.延長CA
E;反対側(AC,B)
となっている。
そうすれば
EAもABと1
直線
をなす。
(a)
、
命題1ー13
(直線と2直角1)
により、
角 BACとBADの和は2直角である。
命題の設定
、
公理1ー1
(同じものに等しい)
により
角DAEとBADの和は2直角である。
よって、
命題1ー14
(直線と2直角2)
により、
EAはABと1直線をなす。
E;上.延長BA
となっている。
そして、
BDが結ばれたとせよ。
公準1ー1
(作図.直線)
による。
線分BD
をとっている。
そうすれば
三角形
ABCは
三角形
ADEに
等しく
、
命題の設定
による。
△ABC=△ADE
となっている。
BADは別の
三角形
であるから、
三角形
CABが
三角形
BADに
対するように
、
三角形
EADが
三角形
BADに
対する
。
命題5ー7
(同一量の比)
による。
△CAB:△BAD=△EAD:△BAD
となっている。
ところが、
三角形
CABが
三角形
BADに
対するように
、
CAがADに
対し
、
EADがBADに
対するように
、
EAがABに
対する
。
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
による。
△CAB:△BAD=CA:AD、
△EAD:△BAD=EA:AB
となっている。
それゆえ
CAがADに
対するように
、
EAがABに
対する
。
命題5ー11
(同一の比に同じ比)
による。
CA:AD=EA:AB
となっている。
ゆえに
三角形
ABC、ADEの
等しい
角
をはさむ
辺
は
逆比例
する。
定義6ー2
(逆比例)
による。
(CA,AB)(反比例)(EA,AD)
となっている。
次に
三角形
ABC、ADEの
[
角
BACが
角
DAEに
等しく
]
辺
が
逆比例
するとし、
CAがADに
対するように
、
EAがABに
対する
とせよ。
命題6−14の補足
(作図.直線図形の頂点共有と辺の1直線)
による。
さらに、
直線CADについて、
BがEと反対側になるように、
必要があれば、
三角形ADEを裏返す。
△ABC、AD'
に対して、
D(延長CA;;AD=AD')、
E(延長BA;;(CA,AB)(反比例)(EA,AD)
,反対側(AD,B))、
△ADE
をとれば、
∠BAC=∠DAE
となっている。
三角形
ABCは
三角形
ADEに
等しい
と主張する。
ふたたび
BDが結ばれ、
公準1ー1
(作図.直線)
による。
線分BD
をとっている。
CAがADに
対するように
、
EAがABに
対し
、
命題の設定
による。
CA:AD=EA:AB
となっている。
他方
CAがADに
対するように
、
三角形
ABCが
三角形
BADに
対し
、
EAがABに
対するように
、
三角形
EADが
三角形
BADに
対する
から、
命題6ー1
(同高の三角形、平行四辺形は底辺と比例)
による。
CA:AD=△ABC:△BAD、
EA:AB=△EAD:△BAD
となっている。
三角形
ABCが
三角形
BADに
対するように
、
三角形
EADが
三角形
BADに
対する
。
命題5ー11
(同一の比に同じ比)
による。
△ABC=△BAD=△EAD:△BAD
となっている。
それゆえ
ABC、EADの双方は
BADに
対し
同じ比
をもつ。
ゆえに
三角形
ABCは
三角形
EADに
等しい
。
命題5ー9
(同一比の量)
による。
△ABC=△EAD
となっている。
よって
等しく
かつ1つの
角
を互いに
等しく
する
2つの
三角形
の
等しい
角
をはさむ
辺
は
逆比例
する。
そして
1つの
角
を互いに
等しく
し、
等角
をはさむ
辺
が
逆比例
する
2つの
三角形
は
等しい
。
これが証明すべきことであった。
命題6ー14
(等積で等角な平行四辺形と逆比例)
を用いて、
平行四辺形を対角線で半分にすることで
証明することもできる。
命題6ー15
は、
△ABC
に対して
△ADE[;;∠BAC=∠DAE,△ADE=△ABC]
をとれば、
(BA,AC)(反比例)(DA,AE)
となり、
△ABC
に対して、
△ADE[;;∠BAC=∠DAE
,(CA,AB)(反比例)(EA,AD)]
をとれば、
△ABC=△ADE
のことである。
命題6ー15
は推論用命題である。
前提
作図
推論
定義
6-2
公準
1-1
公理
1-1
命題
6-14補
1-13
,
1-14
,
5-7
,
5-9
,
5-11
,
6-1
その他
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