ユークリッド原論をどう読むか(5)
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ユークリッド原論

第2巻

命題2ー8(和の平方と差の平方との差)
もし
 線分が任意に2分されるならば、
 全体と一つの部分とにかこまれた矩形の4
 残りの部分の上の正方形
 の和は
 全体の線分と先の部分とを
 一直線とした線分上の
 正方形等しい 線分ABが
 点Cで任意に分けられたとせよ。

AB、BCにかこまれた矩形の4
 AC上の正方形
 の和は
 AB、BCを一直線とした[線分]上の
 正方形等しいと主張する。

BDがABと一直線をなして延長され、 BDがCBに等しくされ、 AD上に正方形AEFDが描かれ、 そして作図が二重に繰り返されたとせよ。 そうすれば
 CBはBDに等しく
 他方CBはGIに、
 BDはILに等しいから、 GIもILに等しい 同じ理由でOPもPNに等しい
そしてBCはBDに、
 GIはILに等しいから、
 [矩形]CIもIDに、GPもPLに等しい ところが
 CIはPLに等しい
なぜなら
 平行四辺形CMの補形であるから。 それゆえ
 IDもGPに等しい ゆえに
 DI、CI、GP、PLの四つは
 互いに等しい
したがって
 この四つの和はCIの4である。
また
 CBはBDに等しく
他方BDはBIすなわちCG等しく
 CBはGIすなわちGOに等しいから、 CGもGOに等しい そして
 CGはGOに、
 OPはPNに等しいから 矩形]AGもKOに、OJもPFに等しい ところが
 KOはOJに等しい
なぜなら
 平行四辺形KJの補形であるから。 それゆえ
 AGもPFに等しい ゆえに
 AG、KO、OJ、PFの四つは
 互いに等しい
したがって
 この四つの和はAGの4である。 しかも
 CI、ID、GP、PL四つの和が
 CIの4であることも先に証明された。
それゆえ
 グノーモーンQRSを構成する八つの和は
 AIの4である。 そして
 BIがBDに等しいため、
 AIは
 矩形AB、BDに等しいから、
 矩形AB、BDの4
 AIの4である。 また
 グノーモーンQRSも
 AIの4であることが
 先に証明された。
それゆえ
 矩形AB、BDの4
 グノーモーンQRSに等しい 双方に
 AC上の正方形等しいMHが
 加えられたとせよ。
そうすれば
 AB、BDにかこまれた矩形の4
 AC上の正方形
 の和は
 グノーモーンQRSとMHと
 の和に等しい ところが
 グノーモーンQRSとMHと
 の和は
 AD上の正方形AEFDに等しい しかも
 BDはBCに等しい それゆえ
 AB、BCにかこまれた矩形の4
 AC上の正方形
 の和は
 AD上の正方形
 すなわち
 AB、BCを一直線とした上の正方形等しい よってもし
 線分
 任意に2分されるならば、
 全体と一つの部分とにかこまれた矩形の4
 残りの部分の上の正方形
 の和は
 全体の線分と先の部分とを一直線とした
 線分上の正方形等しい
 
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭