ユークリッド原論をどう読むか(4)
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ユークリッド原論
第1巻
命題1ー36(平行四辺形の等積変形2)
等しい底辺の上にあり
かつ
同じ平行線の間にある
平行四辺形は
互いに等しい。
ABCD、EFGHを
等しい底辺BC、FGの上にあり
かつ
同じ平行線AH、BGの間にある
平行四辺形とせよ。
-
線分BG
に対して、
点C[BG]、
点F(BG;;FG=BC)、
点A[外.BG]、
平行線AH[A,BG]、
点D(AH;;AD=BC)、
点E(AH;;EH=FG)、
平行四辺形ABCD、
平行四辺形EFGH
をとっている。
平行四辺形ABCDは
EFGHに等しいと主張する。
BE、CHが結ばれたとせよ。
- 公準1ー1(作図.直線)
による。
-
線分BE、CH
をとっている。
そうすれば
BCはFGに等しく、
また
FGはEHに等しいから、
- 命題1ー34(平行四辺形の対辺・対角・対角線)
による。
-
FG=EH
となっている。
BCもEHに等しい。
- 公理1ー1(同じものに等しい)
による。
-
BC=EH
となっている。
しかも
平行である。
そして
EB、HCがそれらを結んでいる。
ところが
等しくかつ平行な線分を
同じ側で結ぶ2線分は
等しくかつ平行である。
それゆえ
EBCHは平行四辺形である。
そして
ABCDに等しい。
【・・・(1)】
なぜなら
それと同じ底辺BCをもち、
それと同じ平行線BC、AHの間に
あるからである。
同じ理由で
EFGHも同じEBCHに等しい。
-
平行四辺形EFGH=平行四辺形EBCH
となっている。
したがって
平行四辺形ABCDもEFGHに等しい。
- (1)
,公理1ー1(同じものに等しい)
による。
-
平行四辺形ABCD=平行四辺形EFGH
となっている。
よって
等しい底辺の上にあり
かつ同じ平行線の間にある
平行四辺形は互いに等しい。
これが証明すべきことであった。
- 命題1ー35は、
同一の底辺を持つ平行四辺形についてであったが、
本命題は、
同じ平行線上に
長さが等しい底辺をもつ場合について論じている。
この場合、
2つの平行四辺形の重なり具合が
いろいろあるが、
本論のように、
全く重ならない場合について証明すれば、
重なっている場合でも、
双方ともに重ならない位置に
等しい底辺を持つ等しい平行四辺形を
考えることにより
論証できる。
- 命題1-36は、
線分BG
に対して、
点C[BG]、
点F(BG;;FG=BC)、
点A[外.BG]、
平行線AH[A,BG]、
点D(AH;;AD=BC)、
点E(AH;;EH=FG)、
平行四辺形ABCD、
平行四辺形EFGH
をとるならば、
平行四辺形ABCD=平行四辺形EFGH
のことである。
- 命題1-36は推論用命題である。
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