ユークリッド原論をどう読むか(14)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー46(中項面積と有理面積の和に等しい正方形の辺の分割は1通り)
 中項面積有理面積の和
 に等し正方形
  ただ一つので分けられる。


 ABをCで分けられる
 中項面積有理面積の和
 に等し正方形
とし,したがって
 AC,CBが平方において通約できず,
 AC,CB上の正方形の和を中項面積とし,
 矩形AC,CBの2有理面積とする
とせよ。

 ABは
  他ので分けられない
と主張する。

もし可能ならば,

 Dでも分けられるとし,
 AD,DBが平方において通約できず,
 AD,DB上の正方形の和を中項面積とし,
 矩形AD,DBの2有理面積とする

とせよ。そうすれば
 矩形AC,CBの2
  矩形AD,DBの2との差は
 AD,DB上の正方形の和と
  AC,CB上の正方形の和との差に等しく,

 矩形AC,CBの2
  矩形AD,DBの2より有理面積だけ大きい

から,
 AD,DB上の正方形の和は
  AC,CB上の正方形の和より,
  共に中項面積である
のに,
  有理面積だけ大きい。

これは不可能である。
したがって
 中項面積有理面積の和
 に等し正方形
  異なる2で分けられない。

よって
 一つので分けられる。
これが証明すべきことであった。
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