ユークリッド原論をどう読むか(17)
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目次
ユークリッド原論
第11巻
□定義
定義11ー1(立体)
立体とは
長さと幅と高さを
もつ
もの
である。
-
立体では、
高さは、
立体の第一の属性であり、
いわゆる厚みのことで、
長さ、幅を前提とする。
(以下、定義11−1の補足
(高さ)という。)
長さは
定義1ー2の補足(長さ)
による。
幅は
定義1ー5の補足(幅)
による。
別に、
矩形においては、
定義の補足(命題10ー20)(幅)
による幅の定義がある。
高さについては、
平面図形で、
定義6ー4(高さ)
による定義がある。
-
立体は、
面に納まらず、厚さをもつことを
高さをもつと表現している。
面は、
線に納まらず、幅をもつこと、
線は、
点に納まらず、長さをもつこと、
と同様である。
-
定義1ー1(点)
「点とは部分をもたないものである。」
定義1ー2(線)
「線とは幅のない長さである。」
定義1ー5(面)
「面とは長さと幅のみをもつものである。」
に対応している。
定義11ー2(立体の端)
立体の端は
面
である。
-
立体の端は面とする
という設定である。
-
立体は、
面によって
区切られている
ということである。
-
立体と平面が会する
とき
平面は
立体を2つ以上の部分に
分ける。
分けられた立体にできた
新たな面を
断面という。
(以下、定義11ー2の補足
(断面)という。)
-
定義1ー3(線の端)
「線の端は点である。」
定義1ー6(面の端)
「面の端は線である。」
に、対応している。
定義11ー3(直角(直線・平面))
直線は
それと
会し
かつ
一平面上
にある
すベての直線に対し直角を
なす
とき、
平面に対し直角
である。
-
空間においても、
垂直は、
直角のことをいう。
(以下、定義11ー3の補足(垂直(空間))という。)
-
会すは、
定義3ー2の補足(会す)
による。
-
直線の平面に対する直角を、
直線と交わり、
かつ
その平面上にあるすべての直線に対する直角でもって、
定義している。
この定義が妥当であることは、
命題11ー4(2直線と直交すれば2直線を含む平面と直交)
により、
保証される。
-
定義1ー10(直角)
に対応している。
平面においては、
直線の直線に対する関係として
直角が定義される。
立体においては、
直線の平面に対する関係として
直角の定義が拡張される。
-
平面では、
定義1ー8(平面角)
定義1ー9(直線角)
により、
平面角、直線角が定義されてから、
直角が定義された。
立体では、
後に定義される立体角とは関係なく、
直角が定義される。
定義11ー4(直角(2平面))
相交わる2平面の一方において、
2平面の交線に対し直角に
ひかれた
直線が
残りの平面に対して直角
である
とき、
それらの平面は
互いに直角
である。
-
2平面の交線が
直線であることを
前提としている。
命題11ー3(2平面の交線は直線)
により、
保証される。
互いに直角といえるためには、
定義における2平面の役割が、
入れ替え可能でなければならない。
命題11ー4(2直線と直交すれば2直線を含む平面と直交)
により、
保証される。
-
平面と平面の直角を、
直線と平面の直角(定義11ー3(平面に対し直角な直線))
によって、
定義している。
-
平面の平面に対する関係として、
直角の概念が拡張されて、
定義されている。
-
定義1ー10(直角)
に対応する。
定義11ー5(傾き(線分・平面))
線分の平面に対する傾きとは、
その線分の平面外の端から
平面に垂線が
ひかれ、
このようにして
生じた
点からもとの線分の平面上の端へ
線分が
結ばれた
とき、
このようにひかれた線分と
平面上に立つもとの線分とによって
はさまれる
角
である。
-
「線分の平面外の端」は、
定義1ー3(線の端)
により、
点である。
「生じた点」は、
平面上にある。
「ひかれた線分」と「もとの線分」とは、
交わっている。
-
線分と平面の交点(もとの線分の平面上での端)
を通る
平面上のすべての直線となす角のうち、
最も小さい角が、
線分の平面に対する傾き
である。
-
定義1ー8(平面角)
による、
直線と直線の傾き(平面角)をもって、
直線と平面の傾きを
定義している。
平面との傾きでは、
角とは、
いわない。
-
線分の平面外の端から
平面に垂線をひく方法は、
命題11ー11(3垂線の定理)
による。
-
定義1ー8(平面角)
に対応する。
-
今日での、
直線と平面の法線との角
による
定義と一致する。
定義11ー6(傾き(2平面))
平面の平面に対する傾きとは、
平面の双方において
同じ点で交線に対し直角に
ひかれた
線分によって
はさまれる
鋭角
である。
-
「同じ点」は、
交線上にある。
「直角にひかれた線分」は、
2平面のそれぞれにある。
-
この傾きは、
定義11ー5(傾き(線分・平面))
による
一方の平面上にひかれた線分の
他方の平面に対する傾きと
一致する。
命題11ー11(3垂線の定理)
による。
-
定義1ー8(平面角)
による、
直線と直線の傾き(平面角)をもって、
平面と平面の傾きを
定義している。
平面と平面との傾きでも、
角とは、
いわない。
-
定義1ー8(平面角)
に対応する。
-
定義11ー5(傾き(線分・平面))
定義11ー6(傾き(2平面))に対する関係は、
定義11ー3(直角(直線・平面))の
定義11ー4(直角(2平面))に対する関係
と同じである。
-
今日での、
2平面の各法線の角
による
定義と一致する。
定義11ー7(同じ傾き(平面))
上述の傾きの角が
互い
に等しい
とき、
平面は
平面に対し、
他の平面が
他の平面に
対するのと
同じ傾きを
なすといわれる。
-
「傾きの角」は、
定義11ー6(傾き(2平面))
による傾きが、
2直線の角である
ことによる。
-
1対の平面の傾きが、
他の1対の平面の傾きと
同じである
ことをいっている。
-
今日での、
2平面の各法線の角
による
定義と一致する。
定義11ー8(平行(平面))
平行な平面とは
交わらない
平面
である。
-
平行な2平面の存在は、
例えば、
命題11ー14(同一垂線の2平面は平行)
による。
-
定義1ー23(平行(線))
に対応している。
定義11ー9(相似な立体図形)
相似な立体図形とは
数において
等しい
相似な面によって
かこまれる
立体図形
である。
-
「数において等しい」は、
2つの立体の相似な面が、
同数で対応している
ということである。
「相似な面」は、
2つの立体のそれぞれに別れて、
2つの立体を構成している。
-
定義11ー2(立体の端)
により、
立体は、
それをかこむ面によって、
特徴づけられる。
したがって、
相似な立体図形は、
それらをかこむ対応する面が
相似であることにより
相似となる。
平面においては、
図形をかこむのは、
線であり、
そこで、
定義6ー1(相似)
「相似な直線図形とは、
角がそれぞれ等しく
かつ
等しい角をはさむ辺が比例する
ものである。」
と定義されることになる。
なお、
立体図形という場合も、
定義1ー14(図形)
は有効である。
定義11ー10(等しくて相似な立体図形)
等しくて相似な立体図形とは
数と大きさにおいて
等しい、
相似な平面によって
かこまれる
立体図形
である。
-
「 等しくて相似な」とは
今日でいう合同のことである。
(以下、定義11−10の補足
(等しくて相似な)という。)
「等しくて相似な」という表現は
ここが初出である。
平面において相似を扱う第6巻では、
「等しくて相似な」という表現はない。
「数と大きさにおいて
等しい」は、
同数で対応しており、面積が等しい
ということである。
なお、
「等しい」は、
図形については、
公理1ー7(等しい)により、
大きさ即ち面積についてのことをいう、
「相似な」は、
定義6ー1(相似)により、
形についてのことである。
-
今日にいう合同は、
命題1ー4(2辺挟角相等)
[もし
二つの三角形が
2辺が2辺にそれぞれ等しく、
その等しい2辺に
はさまれる角が等しい
ならば、
底辺は底辺に等しく、
三角形は三角形に等しく、
残りの2角は残りの2角に、
すなわち
等しい辺が対する角は
それぞれ等しい
であろう。」
が初出である。
さらに、
命題1ー8(3辺相等2)
「もし
二つの三角形において
2辺が2辺にそれぞれ等しく、
底辺も底辺に等しけれ
ば、
等しい辺にはさまれた
角もまた等しい
であろう。」
命題1ー26(2角挟辺相等)
「もし二つの三角形において
2角が2角にそれぞれ等しく、
1辺が1辺に、
すなわち
等しい2角にはさまれる辺か
または
等しい角の一つに対する辺が等しければ、
残りの2辺も残りの2辺に等しく、
残りの角も残りの角に等しいであろう。」
と続く。
しかし、
合同という用語は
用いられていない。
原論においては、
合同という用語は
最後まで登場しない。
定義11ー11(立体角)
立体角とは
相会し
かつ
同一平面上にない
二つより多くの線分のすべてが
互いになす傾き
である。
あるいは
立体角とは
1点において
つくられ
同一平面上
にない、
二つより多くの平面角によって
かこまれる
角
である。
-
「会す」は、
定義3ー2の補足(会す)
により、
共有点をもつ
ことであるが、
直線相互についていうのは
初出である。
「二つより多くの」は、
3つ以上
ということである。
「平面角」は、
定義1ー8(平面角)
「平面角とは
平面上にあって
互いに交わりかつ一直線をなすことのない
二つの線相互の傾きである。」
による。
立体を構成する面における角
という意味ではない。
-
定義1ー8(平面角)
により、
立体角は、
1点に集まるすべての線分が互いになす角の全体をいう。
したがって、
定義の後半における平面角は、
1点に集まる、
立体を構成する平面の角だけでなく、
1点に集まるすべての線分の平面角のことを
いっている。
-
2つの立体角は、
対応するすべての線分が互いになす角が等しい
とき
同じ立体角
である
という。
(以下、定義11−11の補足
(同じ立体角)という。)
定義11ー12(角錐)
角錐とは、
数個の平面によって
かこまれ、
一つの平面を底面
とし、
一つの点を頂点として
つくられる
立体
である。
-
底面とは、
高さの基準であり、
頂点とは、
底面に対して、
高さを定める点であり、
立体角をなす点である
(以下、定義11ー12の補足(底面・頂点)という。)
-
2平面の交線は
直線である
ことは、
命題11ー3(2平面の交線は直線)
により、
保証される。
よって、
角錐は、
平面によってかこまれているので、
角錐を構成する面は直線図形である。
定義1ー19(直線図形)
「直線図形とは
線分に囲まれた図形であり、
三辺形とは三つの、
四辺形とは四つの、
多辺形とは四つより多くの
線分に囲まれた図形である。」
による。
-
角錐において、
底面以外の平面は、
頂点と、底面となる直線図形の辺とによる
三角形である。
底面・頂点は、
定義6ー4の補足(底辺・頂点)
に対応している。
-
最も単純な角錐は、
三角形を底面とする三角錐
であり、
4つの三角形からなる。
4つの正三角形によってかこまれた
三角錐を
正四面体
という。
(以下、定義11ー12の補足2
(正四面体)という。)
-
頂点は、
3つの正三角形の頂点となり、
3つの辺が会し、
3つの60°によってかこまれる
立体角である。
-
4つの頂点は、
互いに同じ立体角
である。
定義11ー13(角柱)
角柱とは、
数個の平面によって
かこまれ、
そのうち
二つの相対する平面が
等しく相似で
かつ
平行であり、
残りの平面が
平行四辺形
である
立体
である。
-
「二つの相対する平面」は、
1組である。
これも、
底面とよばれる。
(以下、定義11ー13の補足
(底面)という。)
「等しく相似」は、
定義11−10の補足 (等しくて相似な)
による。
平面の平行は、
定義11ー8(平行(平面))
による。
-
2底面の対応する等しい辺(線分)が、
平行となっており、
定義の補足(命題1ー34)(平行四辺形・対角線)
により、
平行四辺形
となっている。
定義11ー14(球)
球とは、
半円の直径が
固定され、
半円が
回転して、
その動きはじめた同じところに
ふたたびもどる
とき、
かこまれてできる
図形
である。
-
「直径が固定され」は、
直径が軸となる
ことをいう。
「半円が回転して」は、
直径を軸として、
半円が回転する
ことをいう。
「かこまれてできる」は、
半円の弧の部分の軌跡
によって
かこまれる部分
をいう。
-
球面とは、
半円の弧の部分の軌跡
をいう。
(以下、定義11−14の補足(球面)という。)
-
球面上の任意の点は、
定義11−14の補足(球面)
により、
半円の弧が、
必要なだけ回転したときの
弧の上にあり、
定義1ー15(円)
により、
弧の上の点は、
中心からの距離が等しい
から、
球面上の任意の点は、
固定された直径の
中点(中心)からの距離が、
等しい。
(以下、命題の補足2(定義11−14)
(球面は中心から等距離)という。)
-
中心から球面までの距離を、
半径という
(以下、定義11−14の補足3
(球の半径)という。)
-
定義1ー15(円)
に対応する。
定義11ー15(球の軸)
球の軸とは、
半円が
そのまわりを
回転する
固定した
線分
である。
-
「固定した線分」とは、
定義11−14(球)
にいう
「半円の直径が固定され」た
ものである。
定義11ー16(球の中心)
球の中心は
半円のそれと
同じである。
定義11ー17(球の直径)
球の直径とは、
中心を
通ってひかれ、
両側で球の表面によって
限られる
任意の線分
である。
-
定義11ー15(球の軸)
により、
球の軸は、
直径の一つである。
-
命題の補足2(定義11−14) (球面は中心から等距離)
により、
球の中心は、
直径の中点である。
(以下、命題の補足(定義11ー17)
(球の中心は直径の中点)という。)
-
直径を含む平面による
球の断面は、
円であり、
大円という。
(以下、定義11ー17の補足2
(大円)という。)
-
定義1ー17(直径)
に対応する。
定義11ー18(円錐、直角、鈍角、鋭角)
円錐とは、
直角三角形の直角をはさむ
辺の一つが
固定され、
三角形が
回転して、
その動きはじめた同じところに
ふたたびもどる
とき、
かこまれてできる図形
である。
そして
もし
固定された線分が、
直角をはさむ
もう一つの回転された辺
に等しい
ならば、
その円錐は
直角であり、
小さい
ならば、
鈍角であり、
大きい
ならば、
鋭角であろう。
-
「辺の一つが固定され」は、
その辺が軸となる
ことをいう。
「三角形が回転して」は、
その辺を軸として、
三角形が回転する
ことをいう。
「かこまれてできる」は、
軸となる辺以外の
2辺の軌跡
によって
かこまれる部分
をいう。
-
定義11ー18(円錐、直角、鈍角、鋭角)
により、
軸は、
円錐によって、
かこまれる
ので、
直角三角形の軸以外の辺上にある点を、
軸を含む平面上にくるように
回転させることができる。
(以下、命題の補足(定義11ー18)
(三角形の軸以外の辺上の点を回転させると軸を含む平面上)という。)
-
軸を含む平面による
円錐の断面は、
二等辺三角形
となる。
定義にいう直角、鈍角、鋭角は、
この二等辺三角形の頂点の角と
一致する。
-
公準1ー1の補足2(作図.任意の線分)
により、
任意の点は、
軸上の点と
線分で結ぶことができ、
命題の補足(定義11ー18)(三角形の軸以外の辺上の点を回転させると軸を含む平面上)
により
直角三角形の軸以外の辺上にある点は、
軸を含む平面上にくるように
回転させることができる
よって、
回転の軸上にない点は、
軸を含む平面上にくるように
回転させることができる
(以下、命題の補足2(定義11ー18)(回転の軸上にない点は回転させると軸を含む平面上)という。)
定義11ー19(円錐の軸)
円錐の軸とは、
三角形が
そのまわりを
回転する
固定された
線分
である。
-
「固定した線分」とは、
定義11−18(円錐、直角、鈍角、鋭角)
にいう
「辺の一つが固定され」た
ものである。
定義11ー20(底面)
そして
底面とは、
回転する
線分によって
描かれる
円
である。
-
「回転する線分」とは、
定義11−19(円錐、直角、鈍角、鋭角)
にいう
「直角をはさむ
もう一つの回転され」た
ものである。
-
直角をはさまない線分の回転
によって、
描かれる部分を
側面という。
また、
軸の
底面と異なる方の端を
頂点という。
(以下、定義11ー20の補足(側面、頂点)という。)
定義11ー21(円柱)
円柱とは、
矩形の直角を
はさむ
辺の一つが
固定され、
矩形が
回転して、
その
動きはじめた
同じところへふたたび
もどる
とき、
かこまれてできる
図形
である。
-
「辺の一つが固定され」は、
その辺が軸となる
ことをいう。
「矩形が回転して」は、
その辺を軸として、
矩形が回転する
ことをいう。
「かこまれてできる」は、
軸となる辺以外の
3辺の軌跡
によって
かこまれる部分
をいう。
-
軸を含む平面による
円錐の断面は、
矩形
となる。
定義11ー22(円柱の軸)
円柱の軸とは、
矩形が
そのまわりを
回転する
固定した
線分
である。
-
「固定した線分」とは、
定義11ー21
(円柱)
にいう
「辺の一つが固定され」た
ものである。
定義11ー23(底面)
そして
底面とは、
相対して回転する
二つの辺によって
描かれる
2円
である。
-
「相対して回転する
二つの辺」とは、
定義11ー21
(円柱)
にいう
軸となる固定された辺に
直角な、
平行で等しい矩形の2辺
である。
-
矩形の、
軸と平行で等しい辺の回転
によって、
描かれる部分を
側面という。
(以下、定義11ー23の補足(側面)という。)
定義11ー24(相似な円錐および円柱)
相似な円錐および円柱とは
それらの軸および底面の直径が
比例する
もの
である。
-
2円錐において、
軸と底面の直径が比例する
ならば、
軸と底面の半径も比例する
から
回転する三角形は相似であり、
その比は、軸の比と同じである。
よって、
回転によってできる円錐の
側面も底面も相似であり、
その比は、軸の比と同じである。
-
2円柱において、
軸と底面の直径が比例する
ならば、
軸と底面の半径も比例する
から
回転する矩形は相似であり、
その比は、軸の比と同じである。
よって、
回転によってできる円柱の
側面も底面も相似であり、
その比は、軸の比と同じである。
定義11ー25(立方体)
立方体とは
六つの等しい正方形によって
かこまれた
立体
である。
-
「等しい正方形」とは、
合同な正方形
のことである。
-
正六面体
ともいう。
(以下、定義11ー25の補足
(正六面体)という。)
-
頂点は、
3つの正方形の頂点となり、
3つの辺が会し、
3つの直角によってかこまれる
立体角である。
-
6つの頂点は、
互いに同じ立体角
である。
定義11ー26(正八面体)
正八面体とは
八つの等しい等辺三角形によって
かこまれた
立体
である。
-
「等しい等辺三角形」とは、
合同な正三角形
のことである。
-
頂点は、
4つの正三角形の頂点となり、
4つの辺が会し、
2つの直角が
4つの60°によってかこまれる
立体角である。
-
6つの頂点は、
互いに同じ立体角
である。
定義11ー27(正二十面体)
正二十面体とは
二十の等しい等辺三角形によって
かこまれた
立体
である。
-
「等しい等辺三角形」とは、
合同な正三角形
のことである。
-
頂点は、
5つの正三角形の頂点となり、
5つの辺が会し、
5つの108°が
5つの60°によってかこまれる
立体角である。
-
12個の頂点は、
互いに同じ立体角
である。
定義11ー28(正十二面体)
正十二面体とは
十二の等しい等辺等角な五角形によって
かこまれた
立体
である。
-
「等しい等辺な五三角形」とは、
合同な正五角形
のことである。
-
頂点は、
3つの正五角形の頂点となり、
3つの辺が会し、
3つの108°によってかこまれる
立体角である。
-
20個の頂点は、
互いに同じ立体角
である。
-
等辺等角な正多角形によって
囲まれ、
全ての頂点が
互いに同じ立体角となる
立体を、
正多面体
という。
(以下、定義11ー28の補足
(正多面体)という。)
-
定義11ー28の補足 (正多面体)
により、
正多面体の頂点は、
正多角形の頂点が3つ以上重なる
ことにより、
正多角形の1つの内角は120°未満となる。
定義1ー10(直角)
により、
1点の回りは、
4直角
となる。
よって、
正多角形は、
正三角形、正方形、正五角形に限られ、
1つの頂点に重ねうる正多角形の頂点は
正三角形なら、
3つか、4つか、5つ、
正方形なら
3つ、
正五角形なら
3つ
となることによる。
したがって、
正多面体は、
定義11ー12の補足2 (正四面体)、
定義11ー25(立方体)、
定義11ー26(正八面体)、
定義11ー27(正二十面体)、
定義11ー28(正十二面体)
の5つに限る。
(以下、命題の補足2(定義11ー28)
(正多面体は5つ)という。)
-
命題の補足2(定義11−14) (球面は中心から等距離)
-
命題の補足(定義11ー18) (三角形の軸以外の辺上の点を回転させると軸を含む平面上)
前提 | 作図 | 推論 |
定義 |
|
11-18
|
公準 |
|
|
公理 |
|
|
命題 |
|
|
その他 |
|
|
-
命題の補足2(定義11ー18)(回転の軸上にない点は回転させると軸を含む平面上)
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命題の補足2(定義11ー28) (正多面体は5つ)
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