ユークリッド原論をどう読むか(12)
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ユークリッド原論
第8巻
命題8ー18(相似な平面数と比例中項数)
(構成.相似な平面数の比例中項数))
2つの相似な平面数の間には
1つの比例中項数がある。
そして
平面数は平面数に対し
対応する辺が
対応する辺に対する比の
2乗の比をもつ。
2つの相似な平面数をA、B
とし、
数C、DをAの、
E、FをBの辺
とせよ。
そうすれば
相似な平面数は
比例する辺をもつ
から、
CがDに対するように、
EがFに対する。
そこで
A、Bの間には
1つの比例中項数があり、
そして
AはBに対し、
CがEに
または
DがFに対する比、
すなわち
対応する辺が
対応する辺に対する比の
2乗の比をもつ
と主張する。
そこで
CがDに対するように、
EがFに対する
から、
いれかえて
CがEに対するように、
DがFに対する。
[......(1)]
-
命題7ー13(比例4数はいれかえても比例)
による。
-
C:E=D:F
となっている。
そして
Aは平面数であり、
C、Dはその辺である
から、
DはCにかけて
Aをつくった。
[......(2)]
-
前節、
定義7ー17(平面数)
による。
-
D×C=A
となっている。
同じ理由で
EもFにかけてBをつくった。
[......(3)]
そこで
DがEにかけてGをつくる
とせよ。
[......(a)]
そうすれば
Dは
CにかけてAをつくり、
EにかけてGをつくった
-
(2)、
(a)
による。
-
D×C=A、D×E=G
となっている。
から、
CがEに対するように、
AがGに対する。
[......(4)]
-
前節、
命題7ー17(同数を各項にかけても比は同じ)
による。
-
C:E=A:G
となっている。
ところが
CがEに対するように、
DがFに対する。
それゆえ
DがFに対するように、
AがGに対する。
[......(5)]
-
前節、前々節、
命題5ー11(同一の比に同じ比)
による。
-
D:F=A:G
となっている。
また
EはDにかけてGをつくり、
FにかけてBをつくった
から、
DがFに対するように、
GがBに対する。
-
前節、
命題7ー17(同数を各項にかけても比は同じ)
による。
-
D:F=G:B
となっている。
ところが
DがFに対するように、
AがGに対する
ことは証明された。
ゆえに
AがGに対するように、
GがBに対する。
[......(6)]
-
前節、前々節、
命題5ー11(同一の比に同じ比)
による。
-
A:G=G:B
となっている。
したがって
A、G、Bは順次に比例する。
よって
A、Bの間には
1つの比例中項数がある。
次に
AはBに対し
対応する辺が
対応する辺に対する比、
すなわち
CがEに
または
DがFに対する比の
2乗の比をもつ
と主張する。
A、G、Bは順次に比例し、
AはBに対し、
Gに対する比の2乗の比をもつ。
-
(6)による。
-
A:B=(A:G)^2
となっている。
そして
AがGに対するように、
CがEに、
DがFに
対する。
したがって
AはBに対し、
CがEに
または
DがFに対する比の
2乗の比をもつ。
これが証明すべきことであった。
-
命題8ー18は
A=C×D、
B=E×F、
C:E=D:F
ならば、
A、Bの間に比例中項数が入り、
A:E×D
=E×D:B
かつ
A:B=(C:E)^2
のことである。
-
証明の過程から、
次のことがわかる。
相似な平面数において、
対応しない辺の積が
比例中項
となる。
(以下、命題8ー18の補足
(構成.相似な平面数の比例中項数)という。)
-
命題8ー18の補足 (構成.相似な平面数の比例中項数)
前提 | 作図 | 推論 |
定義 |
|
|
公準 |
|
|
公理 |
|
|
命題 |
|
8-18
|
その他 |
|
|
- 命題8ー18は推論用命題である。
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