ユークリッド原論をどう読むか(10)
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ユークリッド原論
第6巻
命題6ー9
(作図.線分のn分の1)
(作図.n分の1の点)
内分
(作図.内分点)
与えられた
線分
から
指定された≪部分≫[
約量
]を
切り取ること。
線分は、
定義の補足(命題1ー1)
による。
約量は、
定義5ー1
による。
与えられた
線分
を
ABとせよ。
AB
をとっている。
このとき
ABから指定された≪部分≫[
約量
]を
切り取らねばならぬ。
《3》[任意個数n]
分の1
が
指定されたとせよ。
定義5ー1
(約量)
により、約量はn分の1のことである。
準一般的な証明である。
コメント2(命題5ー1)
を参照のこと。
Aから
ABと任意の
角
をなす
線分
ACが
ひかれたとせよ。
公準1ー1の補足
(作図.任意の点をとる)
により、
直線AB上ではないところに
点Cをとる。
公準1ー1
(作図.直線)
により、AとCとを結ぶ。
AC[;;C;外.AB]
をとっている。
AC上に
任意の
点
Dがとられ、
公準1ー1の補足
(作図.任意の点をとる)
による。
D[AC]
をとっている。
DE、[EiE'i、]ECが
ADに
等しく
なるようにせよ。
【・・・(a)】
準一般的な証明の一般化の方法は、
コメント5(命題5ー1)
参照のこと。
命題1ー3の補足
(作図.等しい線分となる点)
により
EiE'i=AD
を順にとる。
このE'nを
改めてCとし、
溯ってCを用いている。
E'i(AC;;E1=A,EiE'i=AD,E'i=Ei+1)
E'n>>C
をとっている。
そして
BCが結ばれ、
公準1ー1
(作図.直線)
による。
線分BC
をとっている。
Dを通り、
BCに
平行
に
DFがひかれたとせよ。
【・・・(b)】
命題1ー31
(作図・平行線)
により
直線DFがひかれる。
命題1ー30の補足
(交線に平行な線)
により
DFとABが交わる。
その交点をF’とすると、
Aは
DFについて
BCと反対側にあるので、
命題の補足3(定義1ー14)
(図形と直線の交点)
により、
F’は
AB上にある。
F’を改めてFとし、
溯ってFを用いている。
交点F(AC,平行線(D,BC))
をとっている。
そうすれば
FDは
三角形
ABCの1
辺
BCに
平行
にひかれたから、
(b)
による。
FD‖BC
となっている。
比例
し、
CDがADに
対するように
、
BFがFAに
対する
。
命題6ー2
(三角形の辺の平行線による辺の比例区分)
による。
CD:AD=BF:FA
となっている。
ところが
CDはDAの《2》[n−1]
倍
である。
(a)
による。
CD=(n−1)DA
となっている。
それゆえ
BFもFAの《2》[n−1]
倍
である。
定義5ー5
(同じ比)
による。
BF=(n−1)FA
となっている。
ゆえに
BAは
AFの《3》[n]
倍
である。
定義の補足(公理1ー5)
による。
BA=nFA
となっている。
よって
与えられた
線分
ABから
指定された《3》[n]
分の1
の≪部分≫[
約量
]AFが
切り取られた。
これが作図すべきものであった。
この命題は、
「端からその点までが
線分のn分の1に等しくなるようにできる」
(以下、
命題6ー9の補足
(作図.n分の1の点)という。)
とみることができる。
線分をm+n個に等分し、
一方からm個分、
他方からn個分となる点をとる
ことを、
線分をm:nに
内分
する
という。
(以下、
定義の補足2(命題6ー9)
(内分)という。)
「線分を
m:nに内分する点をとる
ことができる。」
(以下、
命題6ー9の補足3
(作図.内分点)という。)
命題6ー9
(作図.線分のn分の1)
により、
線分のm+n分の1をつくる。
命題1ー3の補足
(作図.等しい線分となる点)
により、
線分の一端からm+n分の1の点を順次とる。
n回目となる点が
m:nの内分点
となる。
命題6ー9
は、
AB
に対して、
AC'[;;C';外.AB]、
D[AC']、
C(AC';;AC=nAD)、
交点F(AC,平行線(D,BC))
をとれば、
FA=AB/n
のことである。
命題6ー9の補足 (作図.n分の1の点)
前提
作図
推論
定義
公準
公理
命題
6-9
その他
命題6ー9の補足3 (作図.内分点)
前提
作図
推論
定義
補2(題6-9)
公準
公理
命題
1-3補
,
6-9
その他
命題6ー9
は作図用命題である。
前提
作図
推論
定義
5-1
,
5-5
,
補(理1-5)
公準
1-1
,
1-1補
公理
命題
1-3補
,
1-30補
,
1-31
,
補3(義1-14)
6-2
その他
コ2(題5-1)
,
コ5(題5-1)
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