ユークリッド原論をどう読むか(7)
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ユークリッド原論
第3巻
命題3ー23(同じ線分の同じ側の相似な切片は唯一)
同じ線分の上に
同じ側に
円の相似で不等な
2つの切片は
つくられ得ない。

もし可能ならば、
同じ線分AB上に
同じ側に
円の相似で不等な
2つの切片ACB、ADBが
つくられたとし、
- 背理法の仮定を述べている。
-
線分AB
に対して、
切片ACB[AB]、
切片ADB[AB;;同側(AB,弧ACB),切片ADB∽切片ACB]、
をとっている。
- 相似な切片は、
定義3ー11
(相似な切片)
により、
「切片の角が等しい、
すなわち
切片内の角が等しい。」である。
したがって
同じ線分上で
同じ側で
相似で不等な切片とは、
弦が等しく
切片内の角が等しいが
重なり合わない
ものである。
重なり合わない2円は、
交わっている場合と、
一方が他方の中にある場合
がある。
交わっている場合、
2円の交点が
少なくとも3つある。
ところが、
命題3−5の補足
(2円の交点は2つ)
により
2つの円周の交点は2点であり、
これは不可能である。
あり得ない場合に対しては、
命題は成立しているとみなす。
交わっていない場合
すなわち、
一方の切片の孤は
両端以外は
他方の切片の内側にあり、
他方のの切片の孤は
両端以外は
前者の切片の外側にある場合は、
以下の通り。
-
内.弧ACB;内.切片ADB
となっている。
ACDがひかれ、
-
内側にある前者の切片をABCとし、
外側にある後者の切片をADBとする。
ABCの孤の両端以外のところに
公準1ー1の補足
(作図.任意の点をとる)
により
点Cをとり、
溯ってCを用いている。
公準1ー1
(作図.直線)
により
AとCを結ぶ。
公準1ー2
(作図.直線の延長)
により
ACをCの方向に延長すると、
Cは切片ADBの内部の点であるから
命題3−2の補足
(円内通過直線は円周と2交点)
により
A以外に
切片ADBの孤と1点Dで交わる。
このDを溯って用いている。
-
点C[弧ACB]、
交点D(延長AC,弧ADB)
をとっている。
CB、DBが結ばれたとせよ。
-
公準1ー1
(作図.直線)
による。
-
線分CB、DB
をとっている。
そうすれば
切片ACBは
切片ADBに
相似であり、
円の相似な切片は
等しい角を含むものであるから、
- すなわち、
切片内の角が等しいものであるから、
-
切片ACB∽切片ADB
となっている。
角ACBは
角ADBに等しい、
-
定義3ー11
(相似な切片)
による。
-
∠ACB=∠ADB
となっている。
すなわち
外角が内角に等しい。
これは不可能である。
-
命題1ー16
(外角と内対角)
による。
-
∠ACB>∠ADB
となるべきであった。
したがって、
[2つの場合の結果により、
切片ADBとACBは一致する。]
-
背理法による。
-
切片ADB≡切片ACB
となっている。
よって
同じ線分の上に
同じ側に
円の相似で不等な
2つの切片はつくられ得ない。
これが証明すべきことであった。
- 命題3ー23は、
線分AB
に対して、
切片ACB[AB]、
切片ADB[AB;;同側(AB,弧ACB),切片ADB∽切片ACB]、
をとれば、
切片ACB≡切片ADB
のことである。
- 命題3ー23は推論用命題である。
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