ユークリッド原論をどう読むか(7)
頁末
  
前
  
次
  
目次
ユークリッド原論
第3巻
命題3ー22(内接四辺形の対角の和は2直角) 
内接
円に内接する
 四辺形の対角の和は
 2直角に等しい。

ABCDを円とし、
 ABCDを
 それに内接する四辺形とせよ。
- 
 円ABCD
に対して、
 四辺形ABCD;(内接)円ABCD
をとっている。
 
対角の和は
 2直角に等しい
 と主張する。
AC、BDが結ばれたとせよ。
- 
公準1ー1
(作図.直線)
による。
 - 
 線分AC、BD
をとっている。
 
そうすれば
 すべての三角形において
3つの角の和は
 2直角に等しいから、
 三角形ABCの
3つの角
 CAB、ABC、BCAの和は
 2直角に等しい。
- 
 ∠CAB+∠ABC+∠BCA=2∠R
となっている。
 
ところが
角CABは
 角BDCに等しい、
 なぜなら
 同じ切片BADC内にあるから。
そして
角ACBは
 角ADBに等しい、
 なぜなら
 同じ切片ADCB内にあるから。
それゆえ
角ADC全体は
 角BAC、ACBの和に等しい。
- 
公理1ー7
(等しい)
による。
 - 
 ∠ADC=∠BAC+∠ACB
となっている。
 
双方に
 角ABCが加えられたとせよ。
そうすれば
角ABC、BAC、ACBの和は
 角ABC、ADCの和に等しい。
- 
公理1ー2
(等しいものに等しいものを加える)
による。
 - 
 ∠ABC+∠BAC+∠ACB
 =∠ABC+∠ADC
となっている。
 
 
ところが
角ABC、BAC、ACBの和は
 2直角に等しい。
- 
命題1ー32
(三角形の内対角・内角の和)
による。
 - 
 ∠ABC+∠BAC+∠ACB
 =2∠R
となっている。
 
したがって
 角ABC、ADCの和も
 2直角に等しい。
- 
公理1ー1
(同じものに等しい)
による。
 - 
 ∠ABC+∠ADC
 =2∠R
となっている。
 
同様にして
 角BAD、DCBの和が
 2直角に等しいことも証明し得る。
- 角BAD、DCBも
 円に内接する四辺形の
  対角であるから、
 言及している。
 - 
 ∠BAD+∠DCB=2∠R
 
よって、
円に内接する
 四辺形の対角の和は
 2直角に等しい。
これが証明すべきことであった。
- 命題3ー22は、
 円ABCD
に対して、
 四辺形ABCD;(内接)円ABCD
をとれば、
 ∠ABC+∠ADC=2∠R、
 ∠BAD+∠DCB=2∠R
のことである。
 - 命題3ー22は推論用命題である。
 
前
  
次
  
目次
  頁頭