ユークリッド原論をどう読むか(5)
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ユークリッド原論

第2巻

命題2ー11(作図.線分の混合分割)
 与えられた線分を2分し、
 全体と一つの部分とにかこまれた矩形
 残りの部分の上の正方形
 等しくする
こと。
 ABを与えられた線分
とせよ。

このとき
 ABを2分し、
 全体と一つの部分とにかこまれた矩形
 残りの部分の上の正方形
 等しくしなければならぬ。


 AB上に正方形ACDBが描かれ、
      【・・・(a)】  ACがEにおいて2等分され、
      [......(b)]
 BEが結ばれ、  CAがFまで延長上され、  EFがBEに等しくされ、
      【・・・(c)】
 AF上に正方形FH[すなわちAFGH]が描かれ、
      【・・・(d)】
 GHがIまで延長された
とせよ。  AB

 Hにおいて分けられ、
 AB、BHにかこまれた矩形《を》[が]
 AH上の正方形等しく《する》[なる]
と主張する。
 
 線分AC

 Eで2等分され、
 FAがそれに加えられる から、
 CF、FAにかこまれた矩形[CFGH]と
 AE上の正方形との和

 EF上の正方形等しい そして、
 EF

 EBに等しい それゆえ
 矩形CF、FAとAE上の正方形との和

 EB上の正方形等しい
ところが
 Aにおける

 直角である
 BA、AE上の正方形の和

 EB上の正方形等しい [したがって
 矩形CF、FAとAE上の正方形との和

 BA、AE上の正方形の和に等しい。]  双方から
 AE上の正方形がひかれた
とせよ。
そうすれば
 残りのCF、FAにかこまれた矩形

 AB上の正方形等しい
      【・・・(1)】 そして
 AFはFGに等しい

から、
 矩形CF、FA

 [矩形]FIである。 ところが
 AB上の正方形

 [矩形]ADである。

それゆえ
矩形]FIは
 [矩形]ADに等しい  双方から
 [矩形]AIがひかれた
とせよ。
そうすれば
 残りの[矩形]FH

 [矩形]HDに等しい
      【・・・(2)】 そして、
 AB

 BDに等しい から、
 [矩形]HD

 矩形AB、BHに等しい ところが
矩形]FHは
 AH上の正方形である。 したがって
AB、BHにかこまれた矩形
 HA上の正方形等しい よって
 与えられた線分ABは
 Hにおいて分けられ、
 AB、BHにかこまれた矩形
 HA上の正方形等しくする。
 

これが作図のすべきものであった。       目次   頁頭