ユークリッド原論をどう読むか(5)
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ユークリッド原論

第2巻

命題2ー12(鈍角三角形の余弦定理)
「任意」

 鈍角三角形において
 鈍角対辺の上の正方形

 鈍角をはさむ2の上の正方形の和
より、
 鈍角をはさむの一つと、
 このへと垂線が下され、
 この鈍角への垂線によって
 外部に切り取られた線分
 にかこまれた矩形の2だけ大きい  ABCを
 鈍角BACをもつ鈍角三角形
とし、
 Bから
 CAに垂線BDがひかれた
とせよ。  BC上の正方形

 BA、AC上の正方形の和より
 CA、ADにかこまれた矩形の2だけ大きい
 と主張する。


 線分CD

 Aにおいて任意に分けられた

から、
 DC上の正方形

 CA、AD上の正方形
 CA、ADにかこまれた矩形の2
 の和に等しい
双方に
 DB上の正方形が加えられた
とせよ。

そうすれば
 CD、DB上の正方形の和

 CA、AD、DB上の正方形
 矩形CA、ADの2
 の和に等しい
ところが
 Dにおける

 直角である から、
 CB上の正方形

 CD、DB上の正方形
 の和に等しい [ゆえに
 CB上の正方形

 CA、AD、DB上の正方形
 矩形CA、ADの2
 の和に等しい。] そして
 AB上の正方形

 AD、DB上の正方形
 の和に等しい ゆえに
 CB上の正方形

 CA、AB上の正方形
 CA、ADによってかこまれた矩形の2
 の和に等しい したがって
 CB上の正方形

 CA、AB上の正方形の和より
 CA、ADにかこまれた矩形の2
 だけ大きい

 
よって
 鈍角三角形において
 鈍角対辺の上の正方形

 鈍角をはさむ2の上の正方形
 の和より、
 鈍角をはさむの一つと、
 このへと垂線が下され、
  この鈍角への垂線によって
  外部に切り取られた線分
 にかこまれた矩形の2
 だけ大きい
 
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭