ユークリッド原論をどう読むか(16)
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ユークリッド原論

第10巻
 
命題10ー115(有理線分と、中項線分との比例中項は無理線分、さらにその比例中項は新たな無理線分)
  中項線分から
 無数の無理線分
   生じ、
 それらのどれも
  前のもののどれとも
   同じでない。



  Aを中項線分
とせよ。

  Aから
 無数の無理線分
   生じ、
 それらのどれも
  前のもののどれとも
   同じでない
と主張する。

 有理線分Bが
   定められ、
  C上の正方形
  矩形A、B
   に等しくせよ。

そうすれば
 Cは
  無理線分
   である。
なぜなら
  無理線分有理線分とによって
   かこまれる
 矩形
  無理面積
   である
から。

そして
  前のもののどれとも
   同じでない。
なぜなら
  前のもののどれの上の正方形
   に等し
 矩形
  有理線分上に
   つくられる
ならば、
  中項線分
   としない
から。
    [......(1)]

また
  D上の正方形
  矩形B、C
   に等しくせよ。
そうすれば
 D上の正方形
  無理面積である。

ゆえに
 Dは
  無理線分
   である。

そして
  前のもののどれとも
   同じでない。
なぜなら
  前のもののどれの上の正方形
   に等し
 矩形
  有理線分上に
   つくられる
ならば、
  Cを
   としない
から。

同様にして
もし
 このような操作が
   限りなく進め
ば、
  中項線分から
 無数の無理線分
   生じ、
 それらのどれも
  前のもののどれとも
   同じでない
ことは明らかである。

これが証明すベきことであった。
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