ユークリッド原論をどう読むか(6)
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ユークリッド原論
第3巻
命題3ー17(作図.円外の点から円への接線)
与えられた点から
与えられた円に
接線をひくこと。
与えられた点をA、
与えられた円をBCD
とせよ。
-
円BCD、
に対して
点A[;;外.円BCD]
をとっている。
このとき
点Aから
円BCDに
接線を
ひかなければならぬ。
円の中心Eがとられ、【・・・(a)】
- 命題3ー1(作図.円の中心)
による。
-
中心E.円BCD
をとっている。
AEが結ばれ、
- 公準1ー1(作図.直線)
による。
-
線分AE
をとっている。
[AEと円周BCDとの交点をDとし、]
- 命題3−2の補足(円内通過直線は円周と2交点)
により、
AEは
円周と1点で交わる。
この交点をDとし、
溯ってDを用いている。
- この記述がないと、
Dの位置が確定しない。
-
交点D(AE,円BCD)
をとっている。
Eを中心とし、
EAを半径として
円AFGが描かれ、
【・・・(b)】
- 公準1ー3(作図.円)
による。
-
円AFG(E,EA)
をとっている。
Dから
EAに直角に
DFがひかれ、
【・・・(c)】
- 命題1ー11(作図・線分からの垂線)
による。
-
垂線DF'(D,EA)
をとっている。
[上でひいた直線と
その前に描いた円AFGの円周との
交点をFとする。]
- 点Dは
線分AE上の点であるから、
円AFGの内部の点である。
命題3−2の補足(円内通過直線は円周と2交点)
により、
Dから出る半直線は
円周AFGと1点で交わる。
その点を改めてFとし、
遡って用いている。
- この記述がないと、
Fの位置が確定しない。
-
交点F(DF',円AFG)
をとっている。
EF[が結ばれ、
- 公準1−1(作図.直線)
による。
-
線分EF
をとっている。
EFと円周BCDとの交点をBとし]、
- Eは円BCDの内部の点であり、
Fは外部の点であるから、
命題3−2の補足(円内通過直線は円周と2交点)
により
1点で交わる。
その点をBとし、
遡って用いている。
- この記述がないと、
Bの位置が確定しない。
-
交点B(EF,円BCD)
をとっている。
ABが結ばれたとせよ。
- 公準1−1(作図.直線)
による。
-
線分AB
をとっている。
点Aから
円BCDに
接線ABがひかれた
と主張する。
Eは
円BCD、AFGの
中心であるから、
- (a)
,(b)
による。
-
E;中心.(円BCD、円AFG)
となっている。
EAは
EFに、
EDは
EBに
等しい。
- 定義1−15(円)
による。
-
EA=EF、
ED=EB
となっている。
このとき
2辺AE、EBは
2辺FE、EDに
等しい。
そして
Eにおける角を
共通にはさむ。
-
前節による。
-
(AE、EB)=(FE、ED)、
∠E;共通
となっている。
それゆえ
底辺DFは
底辺ABに
等しく、
三角形DEFも
三角形EBAに
等しく、
残の角も
残の角に
等しい。
- 命題1−4(2辺挟角相等)
による。
-
△AEB≡△FED
となっている。
ゆえに
角EDFは
角EBAに
等しい。
ところが
角EDFは
直角である。
したがって
角EBAも
直角である。
- 公理1−1(同じものに等しい)
による。
-
∠EBA=∠R
となっている。
そして
EBは
半径である。
円の直径に
その端から
直角にひかれた
直線は
円に接する。
ゆえに
ABは
円《に》BCD[に]接する。
- 定義1ー17(直径)
により、
EBは直径の一部であり、
Bが直径の端である。
命題3−16の系(系.接線は直径と直角)
による。
-
AB(接)円BCD
となっている。
よって
与えられた点Aから
与えられた円BCDに
接線ABがひかれた。
これが
作図すべきものであった。
-
命題3ー6の補足4(円外の点から引いた接線は2本)
で
既に証明したことである。
- 命題3ー17は、
円BCD、
に対して
点A[;;外.円BCD]、
中心E.円BCD、
線分AE、
交点D(AE,円BCD)、
円AFG(E,EA)、
垂線DF'(D,EA)、
交点F(DF',円AFG)、
線分EF、
交点B(EF,円BCD)、
線分AB
をとれば、
AB(接)円BCD
のことである。
- 命題3ー17は作図用命題である。
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