ユークリッド原論をどう読むか(6)
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ユークリッド原論

第3巻

命題3ー14(等しい弦と中心からの距離)
において
 等しい
 中心から等距離にあり、
 中心から等距離にある
  
 また互いに等しい
 
ABCDを
 AB、CDを
  それにおける等しいとせよ。

AB、CDは
 中心から等距離にある
 と主張する。


 
ABCDの
 中心がとられ、
 それをEとし、
 EからAB、CDに
 垂線EF、EGがひかれ、 【・・・(a)】  AE、ECが結ばれたとせよ。
そうすれば
 中心を通る線分EFは
 中心を通らないABと
 交わり
 それを
 また
 2等分する。
それゆえ
AFはFBに等しい
ゆえに
ABは
 AFの2である。
同じ理由で
 CDもCGの2である。
しかも
ABは
 CDに等しい
したがって
AFも
 CGにひとしい。 【・・・(1)】 そして
AEは
 ECに等しいから、
AE上の正方形
 EC上の正方形等しい
ところが
 Fにおけるであるから、
AF、EF上の正方形の和は
 AE上の正方形等しい
また
 Gにおけるであるから
EG、GC上の正方形の和も
 EC上の正方形等しい
それゆえ、
AF、FE上の正方形の和は
 CG、GE上の正方形の和に等しく【・・・(2)】 AFは
 CGに等しいから、
 そのうち
AF上の正方形
 CG上の正方形等しい
ゆえに
 残りの
FE上の正方形
 EG上の正方形等しい
したがって
EFは
 EGに等しい
ところが
 において
 
 中心からそれにひかれた垂線等しい時、
 中心から等距離にあるといわれる。
よって、
 AB、CDは
 中心から等距離にある。

次に
 AB、CDが
 中心から等距離にある、
 すなわち
 EFが
 EGに等しいとせよ。

ABも
 CDに等しい
 と主張する。
同じ作図がなされて、
 同様にして
ABは
 AFの、
CDは
 CGの2である
 ことを証明しうる。 【・・・(3)】 そして
AEは
 CEに等しいから、
AE上の正方形
 CE上の正方形等しい
ところが
EF、FA上の正方形の和は
 AE上の正方形等しく
EG、GC上の正方形の和は
 CE上の正方形等しい
それゆえ
EF、FA上の正方形の和は
 EG、GC上の正方形の和に等しく
EFは
 EGに等しいから、
 そのうち
EF上の正方形
 EG上の正方形等しい
ゆえに
 残りの
AF上の正方形
 CG上の正方形等しい
したがって
AFは
 CGに等しい【・・・(4)】 そして
ABは
 AFの2であり、
CGは
 CDの2である。
それゆえ
ABは
 CDに等しい
 
よって
 において
 等しい
 中心から等距離にあり、
 中心から等距離にある
 また
 互いに等しい
 これが証明すべきことであった。       目次   頁頭