ユークリッド原論をどう読むか(6)
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ユークリッド原論

第3巻

命題3ー13(2円の接点は1つ)

 と、
 内側接するにせよ
 外側接するにせよ、
 一つより多くのにおいては
 接しない。 [そうでないとすれば、] もし可能ならば、 [命題の設定により、
 2円について、
一方が他方の内部で接する場合と
互いに他方と外部で接する場合
がある。
一方が他方の内部で接する場合
ABCDが
 EBFDと
 まず内側で一つより多くの
 すなわちD、Bで
 接するとせよ。
そして
 ABCDの中心G、
 EBFDの中心
 がとられたとせよ。 【・・・(a)】

そうすれば
 G、Hを結ぶ線分
 B、Dに落ちるであろう。 【・・・(b)】 BGHDのようになるとせよ。

そうすれば
 Gは
 ABCDの中心であるから、
BGは
 GDに等しい
それゆえ
BGは
 HDより大きい
ゆえに
BHは
 なおさら
 HDより大きい【・・・(1)】 また
 HはEBFDの中心であるから、
BHは
 HDに等しい
ところが
 それよりなおさら大きい
 ことも先に証明された。
これは不可能である。
したがって
 
 内側
 1つより多くの
 接することはない。 【・・・(2)】 互いに他方と外部で接する場合
さらに
 外側でも
 [1つより多くの点で]
 接しない
 と主張する。
もし可能ならば、
 ACK《か》[が]
 ABCDと
 外側で1つより多くの
 すなわちA、Cで
 接するとし、 【・・・(c)】  ACが結ばれたとせよ。
そうすれば
 ABCD、ACKの
 双方の円周上に
 任意の2A、Cがとられたから、
 2を結ぶ線分
 双方の内部におちるであろう。
ところが
 それは
 ABCDの内部に、
 ACKの外部におちた。
これは
 不合理である。
したがって
 
 外側
 1つより多くのでは接しない。

また
 内側ででも接しない
 ことが先に証明された。 よって
[ 2つの場合の結果により ]
 
 と、
 内側接するにせよ
 外側接するにせよ、
 1つより多くのにおいては接しない。
[これが証明すべきことであった。]       目次   頁頭