ユークリッド原論をどう読むか(4)
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ユークリッド原論
第1巻
命題1−40
(三角形の等積変形2の逆)
[一
直線
上にある]
等しい
底辺
の上にあり
かつ
同じ側
にある
等しい
三角形
は
同じ
平行線
の間にある。
等しいは、
公理1−7
による。
底辺は、
定義の補足(命題1−35)
による。
同じ側は、
定義1−7の補足
による。
三角形は、
定義1−19の補足2
による。
平行線は、
定義1−23
による。
ABC、CDEを
[一
直線
上にある]
等しい
底辺
BC、CEの上にあり
かつ
同じ側
にある
等しい
三角形
とせよ。
△ABC
に対して、
点E(延長BC;;CE=BC)、
点D(同側(BE,A);;△DCE=△ABC)
をとっている。
それらは同じ
平行線
の間にあると主張する。
ADが結ばれたとせよ。
公準1−1
(作図.直線)
による。
線分AD
をとっている。
ADは
BEに
平行
であると主張する。
もし
平行
でないならば、
背理法の仮定である。
Aを通り
BEに
平行
にAFがひかれ
【・・・(a)】
命題1−31
(作図・平行線)
により
Aを通りBEに平行な線がひかれ、
命題1−30の補足
(交線に平行な線)
により
BEと交わるCDと平行線とが
Dと異なる交点をもつ。
これをFとする。
この命題においても、
Fの位置が
Dについて
Cと同じ側にある場合と、
Cと反対側にある場合
が考えられる。
図は
線分CD上にある場合のものであるが、
命題1−39
(三角形の等積変形の逆1)
とまったく同様に、
以下の推論は成立している。
コメントの
「DCEはFCEより大きい。」を
「DCEはFCEより小さい。」
とするだけでよい。
[ Cと同じ側にある場合]
FEが結ばれたとせよ。
公準1−1
(作図.直線)
による。
そうすれば
三角形
ABCは
三角形
FCEに
等しい
。
なぜなら
底辺
BC、CEの上にあり
かつ
平行線
BE、AFの間にある
から。
(a)
,
命題1−38
(三角形の等積変形2)
による。
「なぜなら・・・であるから」については、
コメント2(命題1ー16)
を参照のこと。
ところが
三角形
ABCはDCEに
等しい
。
命題の設定
による。
ゆえに
DCEは
三角形
FCEに
等しい
、
公理1−1
(同じものに等しい)
による。
すなわち
大きい
ものが
小さい
ものに
等しい
。
公理1−8
(大きい)
により、
線分CD上にFがある場合、
DCEはFCEより大きい。
これは不可能である。
それゆえ
AFはBCに
平行
でない。
[ Cと反対側にある場合]
同様にして
AD以外の他のいかなる
線分
もそうでない
ことを証明しうる。
コメント(命題1ー14)
である。
したがって
[ 2つの場合の結果により]
ADはBCに
平行
である。
背理法による。
よって
[一
直線
上にある]
等しい
底辺
の上にあり
かつ
同じ側
にある
等しい
三角形
は同じ
平行線
の間にある。
これが証明すべきことであった。
命題1−36
(平行四辺形の等積変形2)
の逆の成立も
この命題により
成立することがわかる。
命題1−39
(三角形の等積変形の逆1)
の場合と
まったく同じ事情による。
命題1-40
は、
△ABC
に対して、
点E(延長BC;;CE=BC)、
点D(同側(BE,A);;△DCE=△ABC)、
直線AD
をとれば、
AD‖BE
のことである。
命題1-40
は推論用命題である。
前提
作図
推論
定義
公準
1-1
公理
1-1
、
1-8
命題
1-30補
、
1-31
1-38
その他
背理法,場合分け,
コ(題1-14),
コ2(題1-16)f
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