ユークリッド原論をどう読むか(11)
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ユークリッド原論

第7巻
 
命題7ー31(合成数を割り切る素数の存在)
 すべての合成数
 何らかの素数割り切られる。



 Aを合成数
とせよ。

 Aは
 何らかの素数割り切られる
と主張する。

 Aは
 合成数である

から、
 何らかの
 それを割り切る
であろう。

 割り切る
とし、
 それをB
とせよ。
[......(a)]

そして
【Bが、
 素数の場合
 合成数の場合
に分ける。 】
もし
 Bが素数である
ならば、

 命じられたことは
 なされている
であろう。

ところが
もし
 合成数
ならば、

 何らかの
 それを割り切る
であろう。

 割り切る
とし、
 それをC
とせよ。
      [......(b)]

そうすれば
 CはBを割り切り
 BはAを割り切る

から、
 CもAを割り切る

そして
【Cが、
 素数の場合
 合成数の場合
に分ける。 】
もし
 Cが素数である
ならば、

 命じられたことはなされている
であろう。

ところが
もし
 合成数である
ならば、
 何らかの
 それを割り切る
であろう。

そこで
 探求がこのようにして進む
と、
 自分の前の
 また
 Aをも割り切る
 何らかの素数がとられるにいたる
であろう。

なぜなら
もし
 とられない
ならば、

 《1つが他の1つ》[後のものが前のもの]より小さい
 限りなく多くの
 Aを割り切ることになる
であろう。

 これは
 においては
 不可能である。

したがって
 自分の前の割り切り
また
 Aをも割り切る何らかの素数がとられる
であろう。

【Cの場合分けに関する
 2つの場合の結果、
 Bの場合分けに関する
 2つの場合の結果により、】
よって
 すべての合成数
 何らかの素数割り切られる。

 これが証明すべきことであった。
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