ユークリッド原論をどう読むか(11)
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ユークリッド原論

第7巻
 
命題7ー29(素数は倍数以外に対して素)
 すべて素数
 それが割り切らないすべての対して素
 である。



 Aを素数
とし、
 AがBを割り切らない
とせよ。

 B、Aは互いに素である
と主張する。

もし
 B、Aが互いに素でない
ならば、

 何らかのがそれらを割り切る
であろう。

 Cが割り切る
とせよ。

 CはBを割り切り
 AはBを割り切らない

から、
 CはAと同じではない。

そして
 B、Aを割り切る

から、
 素数であるAを
 それと同じでない
のに
 割り切ることになる。

 これは不可能である。

それゆえ
 いかなるもB、Aを割り切らない
であろう。

よって
 A、Bは互いに素である。

 これが証明すべきことであった。
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