ユークリッド原論をどう読むか(11)
頁末
前
次
目次
ユークリッド原論
第7巻
命題7ー23(互いに素な数の約数は互いに素)
対して素
(構成.互いに素(最小数の比)の2数)
もし
2つの数が互いに素である
ならば、
それらの1つを割り切る数は
残りの数に対して素
であろう。
- 数は、
定義7ー2による
- 互いに素は、
定義7ー13による。
-
割り切るは、
定義5ー1の補足2
による。
-
AがBに対して素
とは、
AとBとが
互いに素ということである。
(以下、定義の補足(命題7ー23)
(対して素)とい。)
「対して素」は、
Aに注目している表現で、
「互いに素」は、
AとBとの関係に注目している表現である。
A、Bを
互いに素である2つの数とし、
何らかの数CがAを割り切る
とせよ。
-
「数(について)・・・とせよ」は、
コメント4(命題7ー1)
参照のこと。
-
任意の数A、B
をとり、
命題7ー22の補足(2数の比の最小数)
により、
(数X:数Y);=A:B、(最小数の比))
をとり、
改めて
A、B
として、溯って用いる。
(以下、命題7ー23の補足2(構成.互いに素(最小数の比)の2数)という。)
さらに
数C(;;|A)
としている。
この部分により、
現段階では、
A、B、Cは仮想的である。
C、Bも互いに素である
と主張する。
もし
C、Bが互いに素でない
ならば、
何らかの数がC、Bを割り切る
であろう。
割り切るとし、
それをD
とせよ。
[......(a)]
DはCを割り切り、
CはAを割り切る
-
前節、
命題の設定
による。
-
D|C、C|A
となっている。
から、
DもAを割り切る。
ところが
Bをも割り切る。
それゆえ
Dは互いに素であるA、Bを割り切る
ことになる。
-
前節、前々節の結果による。
-
D|(A、B)
となっている。
これは不可能である。
ゆえに
いかなる数も
数C、Bを割り切らない
であろう。
よって
C、Bは互いに素である。
これが証明すべきことであった。
- 命題7ー23は、
数A(互いに素)数B、
数C|A
をとれば、
C(互いに素)B
のことである。
- 命題7ー23は推論用命題である。
前
次
目次
頁頭