ユークリッド原論をどう読むか(11)
頁末          目次

ユークリッド原論

第7巻
 
命題7ー28(互いに素の和・差は対して素)
もし
 2つの
 互いに素である
ならば、
 それらの和も
 2の双方に対して素であろう。

そして
もし
 2の和が
 それらの1つに対し素である
ならば、
 最初の2互いに素であろう。



 互いに素である2AB、BCが
 加えられた
とせよ。

 和ACは
 AB、BCの双方に対し素である
と主張する。

もし
 CA、ABが
 互いに素でない
ならば、

 何らかの
 CA、ABを割り切るであろう。

 割り切る
とし、
 それをD
とせよ。

そうすれば
 Dは
 CA、ABを割り切る
から、
 残りのBCをも割り切るであろう。

ところが
 BAをも割り切る

それゆえ
 Dは
 互いに素であるAB、BCを割り切る
ことになる。

 これは不可能である。

ゆえに
 いかなる
 CA、ABを割り切らない
であろう。

したがって
 CA、ABは互いに素である。

 同じ理由

 AC、CBも互いに素である。

よって
 CAはAB、BCの双方に対し素である。

また
 CA、ABが互いに素である
とせよ。

 AB、BCも互いに素である
と主張する。

もし
 AB、BCが
 互いに素でない
ならば、

 何らかの
 AB、BCを割り切るであろう。

 割り切る
とし、
 それをD
とせよ。

そうすれば
 Dは
 AB、BCの双方を割り切る
から、
 CA全体をも割り切るであろう。

ところが
 ABをも割り切る

それゆえ
 Dは
 互いに素であるCA、ABを割り切る
ことになる。

 これは不可能である。

ゆえに
 いかなる
 AB、BCを割り切らないであろう。

よって
 AB、BCは互いに素である。

 これが証明すべきことであった。
      目次   頁頭