ユークリッド原論をどう読むか(9504)
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ユークリッド原論

第5巻

命題5ー4(同じ比の項の同数倍)
[任意の]同数倍  同じ比をもつ線分の作図(仮想的)
もし
 第1のが第2に対し、
 第3が第4に対すると
 同じ比をもつならば、
 第1と第3の同数倍
 第2と第4の同数倍に対して、
 何されようとも
 同順にとられるとき、
 同じ比をもつであろう。
 


第1のAが
 第2のBに対し、
 第3のCが
 第4のDに対すると
 同じ比をもつとし、
 A[、]Cの[任意の]同数倍E、Fと
 B、Dの他の任意の同数倍G、Hが
 とられたとせよ。

EがGに対するように、
 FがHに対する
 と主張する。

E、Fの[任意の]同数倍K、Lと
 G、Hの他の任意の同数倍M、Nとが
 とられたとせよ。 【・・・(a)】
EはAの、
 FはCの同数倍であり、
 E、Fの同数倍K、Lがとられたから、
 KはAの、
 LはCの
 同数倍である。 【・・・(1)】
同じ理由で
 MはBの、
 NはDの
 同数倍である。 【・・・(2)】

そして
 AがBに対するように、
 CはDに対し、
 しかも
 A、Cの同数倍K、Lと
 B、Dの他の任意の同数倍M、Nが
 とられたから、
 もし
 KがMより大きければ、LはNより大きく、
 等しければ、等しく、
 小さければ小さい。【・・・(3)】
そして
 K、Lは
 E、Fの同数倍であり、
 M、Nは
 G、Hの他の任意の同数倍である。
したがって
 EがGに対するように、
 FがHに対する。
よってもし
 第1のが第2に対し、
 第3が第4に対すると
 同じ比をもつならば、
 第1と第3の同数倍
 第2と第4の同数倍に対して、
 何されようとも同順にとられるとき、
 同じ比をもつであろう。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭