ユークリッド原論をどう読むか(9513)
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ユークリッド原論

第5巻

命題5ー13(大きい比に同じ比は大きい)
(大きい比より大きい比は大きい)

(小さい比に同じ比は小さい)
(小さい比より小さい比は小さい)
(異なる比に同じ比は異なる)

もし
 第1のが第2に対し
 第3が第4に対する同じ比をもち、
 第3が第4に対し
 第5が第6に対するより大きい比をもつ
 ならば、
 第1は第2に対し
 第5が第6に対するより大きい比をもつであろう。


第1のAが
 第2のBに対し
 第3のCが第4のDに対する
 同じ比をもち、
 第3のCが
 第4のDに対し
 第5のEが第6のFに対するより
 大きい比をもつようにせよ。
第1のAが
 第2のBに対し
 第5のEが第6のFに対するより
 大きい比をもつであろう
 と主張する。
 
C、Eの《任意の》[ある]同数倍
 D、Fの別の《任意の》[ある]同数倍とがあり、
 Cの倍量がDの倍量より大きく
 Eの倍量がFの倍量より大きくない
 ようにすることができるから、
 そのような倍量がとられたとし、
 C、Eの同数倍をG、Hとし、
 D、Fの別の《任意の》[ある]同数倍をK、Lとし、
 GがKより大きく
 HがLより大きくないとせよ。【・・・(a)】
そして、
 GがCの何であろうと、
 MもAの同じ倍数であり、
 KがDの何であろうと、
 NもBの同じ倍数である
 ようにせよ。【・・・(b)】
 
そうすれば、
 AがBに対するように、
 CがDに対し
 そして
 A、Cの同数倍M、Gと、
 B、Dの別の《任意の》[ある]同数倍N、Kがとられたから、
 もし
 MがNより大きければ、
 GもKより大きく
 等しければ、
 等しく
 小さければ、
 小さい【・・・(1)】
ところが
 GはKより大きい
それゆえ
 MもNより大きい
ところが
 HはLより大きくない。
そして
 M、HはA、Eの同数倍
 N、LはB、Fの別の《任意の》[ある]同数倍である。
ゆえに
 AはBに対し
 EがFに対するより
 大きい比をもつ。
よってもし
 第1のが第2に対し
 第3が第4に対する
 同じ比をもち、
 第3が第4に対し
 第5が第6に対するより
 大きい比をもつならば、
 第1は第2に対し
 第5が第6に対するより
 大きい比をもつであろう。
これが証明すべきことであった。       目次   頁頭